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  • 社説:潮目
  • 19.09.23

「挙式無料」キャンペーンは結婚式の価値をタダにしている

 先日、地方会場の支配人と情報交換をする機会があった。そこで出たのが「結婚式キャンペーン企画を実施するかどうか」。その会場では現在キャンペーンをしていないものの、周囲の競合会場が実施していることで集客を高めている状況を見て、今後どうすべきかを悩んでいるとのことだった。
 特に地方で増えているキャンペーン。結婚式を無料で出来ますといったうたい文句を、LINEを始めとしたSNSで告知することで、集客を図るというものだ。周年の期間限定などで、決まった組数にプレゼントするものとは異なり、こうしたキャンペーンを恒常的に展開している。内実は挙式料金のみを無料にするものであるが、来館フックとして一定の効果があるという。
 その支配人の悩みは、集客が増えるのは分かっているものの、そもそも結婚式業に従事する者として、挙式を無料にしていいのかどうかという点だ。心情的に、そこに足を踏み入れてしまうことで、大きなジレンマが生じるからこそなかなか踏み出せないという。
 キャンペーンを展開している会場に話を聞くと、無料という言葉によって、本来は結婚式を資金的に諦めている層の掘り起こしにつながっているという。また、LINE、SNSなどを使うことにより、費用対効果の高い告知を実現できる。
 以前、本紙でもこのキャンペーンを取り上げたことがある。その際には「結婚式無料」というPRの言葉が、景品表示法違反の可能性があることを指摘した。結婚式無料を見た消費者が持つイメージは、挙式と披露宴を合わせたものだ。実質は挙式のみであり、そうした誤解を招く可能性があるPRは、虚偽表示に見なされる可能性もある。そこで、注意を分かりやすくして表記するなど、きちんと対応する会場もあった。
 一過性で終わると考えられたこうしたキャンペーンが、大々的に展開される現状。そもそも論を考える時期に来ているのかもしれない。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月11日号)