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  • 社説:潮目
  • 22.09.28

厨房組織の整備に課題

味の数値化でオペレーション改善

 和食店を経営する知人から、料理長が辞めてしまったという悩みを聞いた。以前から給与をアップして欲しいと言われていたようだが、コロナ感染の波の影響を受けて売上も不安定なため応じられず。最終的には他の店に移籍するからと、辞めてしまったという。料理長と若手スタッフ1 名のみの厨房であるため、店を運営することも難しく。その後の予約については全てキャンセル、実施したクラウドファンディングの出資者に対してお金を返却。店は次の料理長が決定するまで、休業せざるを得なくなった。
 小規模店は料理長に対する依存度も高まるため、こうしたリスクは常に存在する。一方、結婚式場でも厨房人員不足の悩みの声を耳にする。コロナ禍の売上減でコストコントロールの必要に迫られ、これまでは手を付けることのなかった調理部門の人員カットを実施した企業も多い。また、採用を控えたために、若手の不足に陥っているケースも。料理長を頂点としたピラミッドの構図を維持してきた厨房では、例え若手であってもその階層がスッポリと抜けてしまうと運営に支障が出てくる。
 もともとブライダル業界の厨房の仕事は、料理人にとって中途半端な位置づけであった。独立などを目指す志の高い人にとっては物足りず、一方で安定志向の人にはそこまで労働条件、環境なども魅力的に映らない。調理師学校に聞くと、大量採用先ではあるもののすぐに辞めてしまうなど定着面での課題があるという指摘は多い。コロナ禍での人員削減、さらに今後の労働者減少を考えれば、式場厨房の仕事をどのように整備していくのかは大きな課題だ。
 ところが、ブライダル企業の経営者は飲食出身者も限られている。厨房のオペレーションに関する知識に乏しく、いわば料理長任せになってしまっている。経営に理解のある料理長であればいいが、実際にはそうした人材との出会いはなかなかない。結果、料理長の言われるがままで、様々な改革に着手することは難しくなってしまっている。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月21日号)