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  • 社説:潮目
  • 22.05.31

従業員を不幸にさせない

社内トラブルを未然に防ぐ対策

 以前、大手飲食チェーンの経営者に取材をした際、「従業員を不幸にさせないためにも、現金周りの管理を徹底しておくことは企業としての責任」と語っていた言葉を思い出す。顧客からの注文を伝票に手書きで記入し、支払いを現金で受け取っていた時代から、券売機やPOSによる管理に移行し、さらにキャッシュレス化。監視カメラを設置する対応も取り入れてきた。現場で直接現金を取り扱うことが少なくなれば、それに伴うトラブルも減少する。
 この話を思い出したのは、ブライダルで起きた社内窃盗事件の話を耳にしたことだ。そのケースは、施行当日に自社スタッフやパートナー企業も使用するロッカーにおいて、財布がなくなったというもの。実際にある程度の規模の会場では、こうしたトラブルはよく聞く話だという。高価なカメラレンズの盗難、シャンパン・ワインなどを持ち帰ってしまう、レストラン運営を受託している会社のスタッフが、売上金を横領するなど。表に出ることは少ないものの、多くのスタッフが出入りするブライダルでは、リスクも高いと言える。
 性善説に立ち、自社スタッフ及び出入りしているパートナー企業ではそうしたことが起こらないと考えていても、一度トラブルが発生すると職場環境全体が悪化する。犯人捜しは自ずと全社員が対象となり、お互いが疑心暗鬼になる。だからこそ性悪説に立って、当事者になってしまう、犯人ではないかと疑われる、つまり不幸にさせないための適切な管理が必要というのが前述の社長の言葉だ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月21日号)