NEWS

ニュース

  • 連載
  • 22.04.03

新連載〔料理の魅せ方〕『料理開発』バンケットから望める風景をイメージした前菜【ADLIVE 代表取締役 松木順水氏】

 ADLIVEの松木順水です。当社は、撮影ディレクションを手掛け、さらに昨年都内に飲食店2 店舗をオープンし、それをキッカケに会場の婚礼料理の撮影依頼も増えています。そこで今回から3 回にわたり、婚礼料理の開発、伝え方、ビジュアルでの見せ方を紹介していきます。
掲載した写真は、滋賀県のホテルのメニュー開発に携わった際の前菜です。それ以前は一般的な白い皿に盛りつけられたよくある野菜と魚のカルパッチョのようなものでした。最初に届けられるプレートの一枚で、もっとホテル、バンケットを表現することを提案しました。
 上階フロアにあるバンケットは2方向がガラス張りになっており、目の前に雄大な琵琶湖、もう一方は田園風景が望めます。他にはないロケーションが強みであり、その自然を表現することを提案しました。そこで、この両者をイメージしたデザインのプレートが完成しました。
 自然を望める会場の特徴はもちろん、食の宝庫である琵琶湖や地域の食材などのストーリーを、一皿に盛り付けることで、素敵なビジュアルになると共に、スタッフの接客にも繋がっていきます。印象的な料理であれば、この皿が何をテーマにしているのかという興味を新郎新婦やゲストも持つことになり、スタッフにとってもそれを会話のキッカケにしていくこともできます。
 新規や打合せの際に、料理をプランナーがシェフに代わってカップルに説明していくわけですが、全ての料理になってしまうと難しくなります。だからこそ、会場独自のスペシャリティのようなものが一つでもあると、それを切り口に全体のイメージを与えることもできます。つまり会場を表わすのが料理であり、誰もが説明しやすいこともポイントです。同時にネーミングも大切で、フランス語で書いていくのではなく、ワクワクを与えられるように、【琵琶湖の田園風景】など。それは何だろうと思わせることができれば、ある意味で勝ちだと言えます。
 エリア性を意識した一皿であるため、地元の食材を使うことも提案しました。シェフとはいつにどのようなものが採れるのかを確認しながら開発。結果として、コロナ禍でも来館は右肩上がりを記録しています。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月21日号)