NEWS

ニュース

  • 社説:潮目
  • 21.06.05

結婚式の安全に対する信頼感を「バレなきゃいい」で崩すことなく

 5月12日、4都府県に発令されていた緊急事態宣言が5月末まで延長されることになり、さらに愛知、福岡にまで対象が拡大。5月16日にはさらに北海道、広島、岡山も追加。まん延防止措置の対象エリアも広がっている。
 福岡県の会場関係者から、こんな話を聞いた。「市内でブライダルを運営受託しているコンサルタント系の企業が、酒類提供の自粛要請に従わない方針を示している。バレなければいいだろうという会場が一つでもあると、真面目にやっているところが馬鹿らしくなってきて、自分たちもと追随する会場も増えてくるのでは。」ごく一部の企業であっても、こうしたところが出てくるとブライダル業界全体の傾向として捉えられ、これまで積み重ねてきた信頼は崩壊する。

 昨年から続くコロナ禍によって、疲弊している企業は多い。新たな自粛要請で、プランナーが新郎新婦とシビアな話し合いを余儀なくされ、うまく進まなければ再度の延期、キャンセルになってしまう可能性も出てくる。それならば、面倒な話し合いをせずに、バレなければ問題ないから自粛要請も無視して通常の開催をするという意識が働く気持ちは分からなくもない。
 ただ、今回の緊急事態宣言に際して、もともと結婚式は開催自粛を検討されていた事実があり、その最悪の状況を回避するために同じ業界の仲間たちが昼夜を問わずに奔走したのは以前にも報じた通りだ。ギリギリの状況の中で、最悪を回避して出された今回の内容は、いわば休業にしないための譲歩案でもあり、だからこそ業界全体として守っていくことが求められている。

 さらに言えば、要請を無視したスタイルでの開催は、必ずしも新郎新婦、ゲストの評価を得られるかと言えば、それもまた疑わしい。コロナ禍では、社会の意識も大きく分断している。感染を拡大させないために細心の注意が必要で、自粛もしっかりと守るべきという人達。一方、自分達は感染しないだろうからと、自粛要請に対しても我関せずという考えもあり、両者は大きくかけ離れている。結婚式で多くの人を招く以上、両方の考えを持つ人たちがいることになり、つまり自粛要請を無視した営業に否定的な人が半分程度は存在している。彼らの視点から見れば、宣言エリアにも関わらず通常通りに酒が提供されている結婚式を開催する新郎新婦は非常識となる。式場自体も、要請を遵守しない無法者というレッテルを貼られる。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月21日号)