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  • 20.12.16

:連載48:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『婚礼規約パーフェクトマニュアル<最終回 まとめ>』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

 1年かけて「婚礼規約」について取り上げてきましたが、早いもので、このシリーズは今回で最終回です。ここまでご愛読いただいた皆様に、「婚礼規約」の大切さや、内容を見直す際の注意点をお伝えできていたらとても嬉しいです。
 最後に、2021年に向けて「婚礼規約」を見直そうとお考えの方々に、3つの重要ポイントをアドバイスします。

ポイント① 法律の改正に適合しているかチェックしよう
 「婚礼規約」の前提となる法律は、適宜改正されます。
 特に注意しなければならない法律は消費者契約法がありますが、これが非常によく改正される法律で、「婚礼規約」の文言を変更する必要はなくても新郎新婦への説明のあり方を考える際には最新の法律上の規制を理解しておくことが必要です。「うちの婚礼規約はもう10数年改正していないです」というお話をよく耳にしますが、「婚礼規約」が最新の法令に即しているのかは注意が必要です。
ポイント② 婚礼業界のスタンダードをチェックしよう
 一方で法律だけに基づいて作られた「婚礼規約」では、新郎新婦の納得感を得られないこともよくあります。今般の新型コロナウイルスの感染拡大や大型台風の襲来などの事例で、それをいやというほど痛感した方も多いのではないでしょうか。「婚礼規約」を見直す上では、法律だけでなく、同業他社の動向や有益な取り組みなどの情報を収集し、それらを参考にしつつ、新郎新婦に堂々とご説明ができる内容に仕上げていく必要があるでしょう。
ポイント③ 新郎新婦への説明の仕方を考えよう
 せっかく見直した「婚礼規約」を新郎新婦へご説明する際の「方法」についても検討が必要です。 普段契約書などを読みなれていない新郎新婦にとっては、文字がぎっしり並んだ「婚礼規約」の内容を1回の説明で理解するのは至難の業です。一方で、ホテル・式場としては「婚礼規約」の内容は契約前に理解してもらうことが必須ですし、説明済みであることの記録を残すことも必要になります。 BRIGHTでは動画(ムービー)を用いて「婚礼規約」を説明する方法を提案しておりますが、それ以外にも「婚礼規約」そのものの表現を分かりやすくしたり、説明用の資料を「婚礼規約」本体とは別に用意したりなどの方法が考えられます。
 「婚礼規約」見直しに際しては、説明のあり方も含めて検討されることをお勧めします。

 そして最後に、今後の「婚礼規約」の使い方について触れておきます。
 私が今の仕事を始めて以降、「婚礼規約」については「万が一に備えて念のために説明しておくもの」、「できれば新郎新婦にはつっこまれたくないもの」、「正直どんな内容になっているのかよく分からない」など、『守り』の要素が強く、時に『後ろ向き』な声をよく耳にして寂しい思いをしておりました。確かに契約や法律、そしてそれらをベースに置く「婚礼規約」は、サッカーのポジションに例えれば「失点を防ぐ」ディフェンダーに似た側面が強いかもしれません。ただ、今般の新型コロナウイルスの経験を受けて、その流れは変わっていくものと予測します。新郎新婦が結婚式の開催に向けて漠然とした不安を抱えている中で、非常時の発生を予め想定し、カップルの立場もホテル・式場の立場も踏まえた具体的な対応策が明示された「婚礼規約」の存在は、不安の解消に繋がることでしょう。非常時を想定した条項に留まらず、キャンセル料や持ち込み規制、禁止事項等の条項についても同じことが言えるはずです。「失点を防ぐ」だけのディフェンダーではなく、時にサイドを駆け上がり前線(=営業現場)に絶妙なセンタリングをあげられる、そんな『攻める』ための「婚礼規約」という側面をご認識いただけたら嬉しく思います。

皆様、この1年も本コラムをご愛読いただきありがとうございます。よいお年をお迎えください。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月1日号)