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  • 社説:潮目
  • 20.07.31

ブライダルにも感染の波

 7月に入ってからの東京を中心とした新たな感染拡大の波は、確実にブライダル、ホテル業界にも近づいているようだ。7月11日にはエスクリが、グループ企業スタッフ1名の感染、その2日後、新たにもう1名のスタッフも感染していたことを発表した。ホテル雅叙園東京は勤務する委託先の美容スタッフ、ホテル椿山荘東京もロビーラウンジスタッフが感染したことを発表している。こうした感染事例が、今後も各社に及ぶ可能性は高まっている。

 ブライダル、ホテル共に、多くの人と接する機会のある職種だ。無症状の感染者が増えている今、企業・施設としてどれだけ予防を徹底したとしても、従業員が感染してしまうリスクをゼロにすることはできない。こうした段階でできる最善の対策は、少しでも従業員の体調に変化があった場合には、出勤をさせないなどの措置を取ることによって、仮にその人が感染していたとしても、他の同僚、顧客にまで広めずクラスター発生を抑え込むことだ。
 実際、春の感染拡大期との大きな違いは、感染することに対する社会の雰囲気ではないか。特に感染拡大している首都圏では、しっかりと対策を施している企業で感染者が判明しても、メディアの報道も含めて敏感に反応されることはなくなっている。新宿のホストクラブや劇場公演などがあれだけ騒がれているのは、ガイドラインに基づいた感染対策に問題があり、その結果としてクラスターが発生しているから。現実に百貨店などの接客業でも感染者が判明しているが、これだけ外出する人が増え社会生活が正常化しつつある中、どんなにガイドラインを守っていても現状を考慮すれば仕方のない面があるという雰囲気だ。これは感染者が出たことに全ての人が神経質になっていた春先との大きな変化であり、だからこそ企業として取るべき重点施策は、クラスターの震源地にならないという段階になっていると考えられる。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月21日号)