「当社は結婚式当日の映像や前撮り、エンドロールなどの記録撮影を年間約1000件以上担当しています。コロナの影響で3、4月の受注は99％なくなりました。6、7月の施行も上向き傾向にありましたが、7月上旬からの東京での感染者増加のニュースを受けて、カップルたちが再度パーティを日延べしているため件数は少ない状況です。」

　「現在考えているのは、WEB招待状を使った動画撮影、コンテンツの提供。夏シーズンに施行を予定していたカップルのなかで、それまで80名規模で開催を予定していたものの、その半分以下の20名ほどに人数変更するケースも見られています。人数を制限するのは式の予算が少ないからではなく、感染拡大を恐れているから。例えば、パーティに呼べなかった友人に対して式の前には招待状で2 人の想いを伝える動画を、式の後には当日エンドロールで流したムービーを送るなど、アイデア次第で様々な提案ができるでしょう。映像の良さは結婚式の当日の雰囲気をそのまま撮影し、時間と空間を超えて、人々に共有できる点だと信じています。そこでパーティにかけなかった分の費用を『思い出を残す』こと自体にかけてもらいたい。新しい価値の見出し方を提供していきます。」
　「また、当社では式場に向けたVR事業の提案を勧めています。もともと案内はしていたのですが、施設に行きづらい、ソーシャルディスタンスを取らなければならないという時流もあり、その流れに乗りたいと考える式場も多く導入の話も出ています。当社で展開しているのは、施設にVRゴーグルを提供し、会場を見学したいカップルに渡して自宅で施設内の様子を見てもらう。その後、例えば『ナイトウエディングをしたい』という要望があれば、それに合わせたイメージの映像を撮影し増やしていくことも可能です。これを機に式場にも映像の良さを再認識してもらいたいと考えています。」

　「当社は現在、フリーのカメラマン200名以上と契約を結んでいます。今の状況では結婚式が開催されることも少ないため、彼らに仕事を任せることができずにもどかしさを感じています。コロナ以前は、スタッフを集めて懇親会を開いたり、労いの機会を多く設定していたのですが、今は難しいのが現状。もちろん、当社との契約を切らずに活躍してほしいと考えていますが、仕事がないと去る人も多いだろうと懸念しています。コミュニケーションの図り方に悩みつつも、より密に式場と連携し、最新の情報を仕入れながら、カメラマンに秋から来シーズンで活躍の場を提供していきたいと強く思っています。」
（詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月21日号）