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  • 25.10.01

【さすが帝国ホテル】の表彰

良い事例は継承され文化に
帝国ホテルには【さすが帝国ホテル】という個人表彰制度がある。これは同ホテルの企業理念に裏打ちされた行動基準を体現し、顧客に『さすが帝国』と思わせるサービスやおもてなしを提供した従業員を対象に毎年表彰するものだ。1999年から実施していて、年間30~50名ほどが選ばれている。 
14面にも掲載している、結婚式で提供する商品【ORIGINALWEDDING COCKTAIL】も、2024年度の個人表彰のひとつとして選ばれた。生涯顧客をつなぐためには仕組みを作ることも大切であり、仕組みがあることによって人は動きやすくなる。まさにそうした考え方から生まれた一つの商品として、社内で評価を受けた。
「当ホテルにはマニュアルや接遇の基本手順は存在していても、それ以外は人から人へと伝承されているおもてなし精神から発せられる行動が多いです。若いときから経験豊富な先輩を見て学び、それが当たり前のこととして身について伝わっていくという文化継承の土壌があります。例えば結婚式を実施した新郎新婦、新規で来館した2 人に手紙を書くという習慣についても、マニュアルに記されているわけではありません。先輩や上司が手紙を書いて新郎新婦にお礼を伝えていたのを若いスタッフが見て学び、それを当たり前の習慣として実践しているうちに一つの文化になっていきました。そうした継承こそ、当ホテルの強みだと言えます。」(営業部宴会予約課長・藤井章弘氏)
こうした人それぞれのおもてなし精神から発するマニュアル化していないサービスやおもてなしを表彰するのが、【さすが帝国ホテル】だ。ここで表彰されたことをキッカケとして、サービスのスタンダードになっていく事例も数多くある。
例えば、大阪のルームサービスのスタッフが、食事を届けて退室後、ドアの閉まった後にもかかわらず、閉まった部屋に向かってお辞儀をしていた。オペレーションではなく本人の自主的な行動だったが、それを中で見ていた外国人宿泊者から素晴らしいおもてなしだと感想を寄せられた。この接遇は【さすが帝国ホテル】で表彰され、それ以後は全スタッフに共有され、現在では標準的な対応として行われるようになった。
「一人のスタッフの行動が評価され、全体に共有、オペレーションとして定着していきます。例えば披露宴会場の扉の前で待つ新郎新婦に対して、介添えが水を一口勧めていました。緊張して喉の渇いてしまう新郎新婦からは『ありがたい』と言われる配慮で、これも誰かの始めた行動が評価されたことをキッカケにして、全員に共有され今ではスタンダードになっています。」(藤井氏) 
多くの会場では化粧室に行きたくなるから水は控えてくださいと言うことも多いなか、披露宴直前の緊張をほぐすためにあえて水を勧める。相手の気持ちを慮り、それを行動で実践する。帝国ホテルで日常的に当たり前のように行っているこうした接遇は、顧客側に『ここまでやってくれるのか』と感銘を与えている。まさに顧客の期待値を超えるおもてなしの意識がそこにはあり、そうした積み重ねによって、生涯顧客化を深化させていく。先人たちの築いてきた意識と行動が、今も当たり前のように続いているのは、まさに130年以上の歴史に裏打ちされた伝統と文化の継承力だ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月1日号)