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  • 社説:潮目
  • 24.07.17

外部人材に方向性を示す 丸投げ状態ではクレームも多発 

ホテルを中心に、婚礼部門の人員不足をカバーするため、業務請負型のコンサルティング会社やフリー人材を活用して、新規・打合せ業務にあたるケースが増えている。中には婚礼部門の自社スタッフは取りまとめ役の1 名しか置かず、残りの人員は全て外部スタッフで対応するといったホテルもある。いわば外部にお任せの状態であるが、全てを丸投げするスタンスでは問題も多々発生する。
 最近よく聞くのは、フリー人材の出入りが激しくなっている施設。特に打合せ人材に関してはその傾向も強く、定着せずすぐに辞めてしまい、その都度また新しい人を探すという、取っ替え引っ替えの状況に陥ってしまう。その要因としては、一組あたりの設定にしている報酬と業務量に対するギャップ。通常4 回程度の新郎新婦とのリアルな打合せ以外に、パートナー企業とのアサイン、社内調整などで何度も施設に出向かなければならず、当初の想定以上に負担が増す。個人情報保護の観点で、外部からの新郎新婦への連絡を許可していないケースも多く、電話一本のために交通費を自腹で払い、施設に赴かなければならない。
 また社内調整を丸投げされると、調理場やキャプテンとの交渉も求められる。自社プランナーであっても、気を遣う他部署スタッフとの交渉。外部スタッフであれば猶更厳しい状況に陥りやすい。新郎新婦と施設スタッフの板挟み状態でストレスを抱えれば、すぐに辞めるのも当然だ。
 外部スタッフは経験者だからと任せきりで、丸投げをする施設側の問題である。新規についても丸投げの対応をしていると、本来施設の欲しい顧客とは異なる層ばかりになり、結果、クレームに繋がる可能性も高まる。施設としては、きちんと方向性を示しながら、本来の意味での活用を進めていくことは必要だ。
 あるホテルのマネージャーは、「外部人材を起用すれば、当然結果重視になってくる。ただここで大切なのは、受注の結果重視なのか、それとも最終的な売上の結果重視なのか。そこを明確にしておかないと、新規接客では安くても取れればいいという話になってしまう。ホテルのテイスト、カラーも踏まえた上で、どのような顧客層に対して、どのような結果を求めるのかを明確にしておかなければならない。」と語る。
 その点では、とにかく何でもいいから件数を追いかけるのか、それとも施設のブランドを維持するために質を重視するのかを定義しておくべきだろう。仮に件数だけを追いかけるのであれば、割引してでもとにかく成約できる人材を起用する。そのために、低価格プランなど、受注しやすい商品開発も求められる。
 一方、質を重視する場合には、当然成約率も低くなり、また打合せ業務負担も高まってくる。それを踏まえた商品開発も重要で、かつ外部人材に対しては契約条件なども検討していかなければならない。
 前述のホテルマネージャーは、婚礼部門だけで決めることではないとの考えを持つ。「この点については、会社としての方針が最重要。初めから高い目標になっていれば、まずは質の高い結婚式を追いかけながら、それだけでは足りないと低価格の結婚式も含めてとにかく受注で稼がなければならなくなる。婚礼部門全体が、割引してでも取らなければいけないという方向に追い込まれていきます。そうではなく、ホテルに合った顧客を求めるという場合は、質を向上させ一組一組の単価をアップさせていく方向に持っていかなければなりません。とにかく受注してくれれば、単に人員が足りないから打合せが出来れば誰でもいいという考え方では、外部人材活用もうまくいかないのは当然。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)