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  • 社説:潮目
  • 23.03.19

料理人の採用難で求められる調理場の効率化

 「人材採用で非常に厳しいのが料理人。専門学校卒業生の人気業種は給食系だと聞いている。土日休みで各種条件も一定水準以上の会社を希望する学生が増加する中で、結婚式場がそこまで条件を引き上げることは難しく、思ったように採用が進まないのは今後への不安。」こう語るのは、ブライダル大手企業の経営者だ。プランナー職に関しては採用難の時代の今になっても、質の課題はあれど、こと採用数という点では安定している。料理人に関してはなかなか採用の母集団を形成できず、さらに中途は募集してもエントリーすらない状況で、今後への大きな不安を吐露する。
 この社長は、結婚式運営に対応できるだけの調理場人員が揃わなければ、最悪施行数の制限も考える必要が出てくるともいう。コロナ禍、人件コスト削減も踏まえて、複数バンケットの枠を一つ削減して運営。料理スタッフ数を抑えた、少人数運営の体制を一時的に敷いた。今後調理人が確保できなければ、こうした対応を平時から余儀なくされる可能性もあるとのことだ。
 調理師学校に取材をすると、もともと結婚式場の仕事は全体的に人気になりにくい面があったという。調理師学校の学生は大きく2つのタイプに分かれ、一つはプロ志向が強く将来的に自らの店を持ちたいという人材。もう一つが、手に職をつけて条件のいい会社で無理なく働きたいという安定タイプ。前者は一流の専門店やホテル、後者は大手の給食系への就職希望が強い。結婚式場はこの両者の中間に位置しており、一流店での修業希望者には物足りなく、一方で給食系に比較して条件面は低くなってしまう。土日中心の勤務体系を敬遠する傾向もあるため、その点で人気職種になることは難しかった。
 調理師学校の学生は、以前から後者のタイプが増加しており、さらに大手の給食会社では人員確保を目的に賃上げも進めているため、もともとあった採用条件面の差がさらに拡大している。確実に人員確保するためには、こうした企業に負けないだけの賃上げが求められるものの、それは新卒採用だけに限らなくなるのも難しい問題だ。組織のバランスを考慮すれば、会社全体でのベースアップが必要となり、大手になるほど人員数も多いことで一気にコストが上昇しなかなか踏み切れない部分だ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)