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  • 22.06.12

歌舞伎俳優の結婚披露【東京會舘】

 歌舞伎俳優、八代目大谷友右衛門丈(屋号:明石屋)の次男:大谷廣松丈(28)が4月28日、東京會舘(東京都千代田区)にて披露宴を執り行った。コロナ禍もあり200名前後の規模となったが、各界の著名人やVIPも数多く出席した。伝統芸能の婚礼でもあり、一般的な婚礼とは異なる対応も求められる中、どのような準備が進められて当日を迎えたのか。大人数かつVIPの挙式実績の多い、東京會舘ならではの対応も数多く見られた。結婚式へのこだわりとリアルな舞台裏を、会場責任者が寄稿する新企画【結婚式ルポ】。第1回目は、同社の常務取締役・営業副本部長の星野昌宏氏の寄稿を掲載する。

回遊を重視したスタイルに
 歌舞伎俳優の大松廣松丈のお相手は、ブラジルを代表する画家:マナブ間部を祖父に持つ小泉夕実さんです。明石屋では、父の大谷友右衛門丈、友右衛門丈の長男で三代目大谷廣太郎丈が東京會舘で披露宴を実施しており、今回も当社を選定頂きました。廣太郎丈も私が担当していたことから、今回も私が施行を担当させて頂きました。
 「夕実さんの希望を最大限叶えたい」という新郎の意向もあり、一般的な披露宴に良くあるケーキ入刀や映像放映などを一切行わない、自由なスタイルが採用されることになりました。また、「ゲストが可能な限り往来する雰囲気を醸成して欲しい」とのオーダーもあり、それを踏まえた準備を進めていきました。
 夕実さんは著名な祖父の影響で幼少時からパーティーに馴染みがあり、レイアウトはガラディナーのような全卓流しに。合わせて、バーカウンター・デザートブッフェを併設し、BGMはすべてJAZZの生演奏とすることで、海外のパーティーのように『人の往来しやすい雰囲気』の醸成に努めました。バーカウンターは『明石屋バー』と命名し、ステアやシェイクが必要なカクテルの提供も行うことで、遊び心を演出しました。
 「披露宴らしくしない」という希望に対しては、「入場・退場を一切演出しない」流れも採用しました。伝統芸能系の披露宴では立礼・迎賓が今でも実施されるケースも多いのですが、今回は、『お二人がゲストと会話を愉しむ』というスタイルに拡大解釈しました。新郎新婦は、会場内でゲストと会話を愉しみながら回遊。披露宴での入場についても会場内が暗転して司会のアナウンスが始まると高砂に移動してスタンバイし、スポットライトが2 人に当たって開演するという方法を考えました。
 VIPの列席する披露宴では、列席者の詳細が判別できないよう席次表を作成しないケースが多く、今回も特製のもぎりを作成しました。また公演などの関係から突然の欠席が出ることも想定し、受付の裏側には巨大な配席図を張り出し、筆耕師もスタンバイ。直前まで配席変更のできる体制も準備しました。これは伝統芸能系の披露宴では通常の対応です。
 引出物については、セットを席にあらかじめ付けておく一般的な「先付け」ではなく、デザート提供後に各ゲストにお渡しする「後付け」が一般的。大型結婚式の場合には宴中に退席するゲストも一定数いることから、特殊なオペレーションも必要となります。VIPの顔を識別できる当社のスタッフに加え、明石屋スタッフにも協力頂き、即座に引出物セットをお渡しできる体制を構築しておきました。
 さらにVIPの婚礼の場合、「大切なゲストの時間を頂いている」ことから、時間内施行も絶対条件です。今回は流しレイアウトで、かつ料理もデクパージュのある2 万3000円の100周年メニューということもあって、万が一にも時間が超過しないよう入念に準備を進めました。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日号)