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  • 社説:潮目
  • 21.07.04

低価格商品は儲かるか?

 旅館経営の管理会計が注目された時期がある。大型旅館では、収益をトータルで計算するのが主流であったが、そこで課題になっていたのが厨房部門の採算性だ。利益率の高い宿泊で稼いでいても、料飲の原価率、人件費が負担増になっているところが多く、少しでも宿泊が減少するとコストが一気にのしかかり、あっという間に赤字に転落してしまう。そこで売上を宿泊費と料飲で明確に分け、その上で料飲の利益率をはじき出していく。部門別の管理会計により、アンタッチャブルであった厨房の適正人員、適正原価を把握していく流れだ。
 この部門別管理会計は、ブライダル会場にも求められている。これまでのように一定の人数帯、価格帯の結婚式のみの受注であれば、利益計算も容易であり、従来の経験値でコントロールできた。ところが結婚式の平均単価の基準が崩れていることで、収益を確保するためには更なる緻密な管理会計が必要だ。
 特に少人数化、フォトの人気を受け、通常結婚式以外のプランを打ち出す会場も増えている。少人数化プランでは当然単価も減少するが、一方で少人数だからと粗製濫造の対応では顧客満足度も高まらず、会場ブランドを貶める。少人数であっても一定クオリティの結婚式を提供しようとすれば、通常結婚式と同等の手間が生じ、その分コスト比率は高まることになる。これまでと異なる商品を販売するのであれば、当然その費用、利益を計算しなければ、労多くして功なしになりかねない。
 実際関西の会場では、ウエディングフォトプランを販売したものの、部門別の管理会計を弾いたところ、全く利益が出ていなかったため一ヵ月で販売も停止した。フォトについても、これまでは来館イコール決定であったのが、競合の増加によって来館回遊も当たり前になっている。単純にフォト希望者が2軒見学することになれば、成約率は半減。接客ロスにより広告費・人件費率も上昇する。その意味では、果たして儲かっているのかどうかを部門別で計算した上で、適正なコントロールが重視されてくる。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)