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  • 社説:潮目
  • 26.03.25

アルバムを広げるシーン

結婚式のアイテムについて、昔から定番とされてきた商品は、時代に合わせて変化を遂げてきた。例えば結婚式のアルバムもその一つ。それまでの大きなサイズのものから、現在は書棚にも収まるフォトブックスタイルの小さなものが主流になっている。確かに家で保管もしやすく、気が向いた時に簡単に見ることも出来る。しかもアルバム代は安価だったりする。ただ本来のアルバムとしての魅力・価値が失われている部分もあるのだろう。時代に合わせた変化でありながら、実態としてアルバムは不要、データのみで十分という方向に向かってしまっている。 
そもそも結婚式のアルバムを見返すのはどんな時だろうか。もちろん夫婦で、1 人でという時もあるだろう。ただ卒業アルバムを考えてみると、実はもっと沢山の人たちと一緒に見ることの方が多いのでは。当時の同級生が集まった時、家族でなど、複数人数の前でアルバムを広げる。だからこそ数人いても一緒に見られるよう、大きなサイズになっている。書棚には入らないため普段は押入れの奥の段ボールの中に入れていたとしても、同じ思い出を巡るツールとしてわざわざ引っ張り出してきて広げるわけだ。冊子サイズの小さなものでは一緒に見ることはできず、そうなればわざわざアルバムを見ようとも考えないため、永久に段ボールの中となる。 
結婚式のアルバムを時流だからと小さくしたことによって、本来のアルバムの価値は薄れてしまった。フォトブックスタイルであれば、家族や列席したゲストが家に遊びに来た時に思い出を巡るシーンとして広げることを新郎新婦は想像することも出来ず、だとしたら記録として残すだけの安いデータのみで良いとなるのも当然だろう。もちろん選択肢として様々なスタイルがラインナップされているのは、多様化の時代には大切。ただ、販売時に今は小さいのが主流ですと語ってしまえば、アルバムの本当の価値は永遠に伝わることはなく、結局はデータのみに進む。 
 
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月21日号)