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  • 社説:潮目
  • 25.12.05

全く異なる文化の融合

ノバレーゼとエスクリの合併という衝撃ニュースが席巻したブライダル業界。業界再編を目的とした今回の合併に対し、ブライダル関係者から聞かれるのは「文化の異なる両社が、果たして融合してうまくいくのだろうか」という声だ。しかもこの合併は対等合併という側面を重視している以上、吸収合併以上に文化融合の道のりは険しいと言える。そもそも上下の立場が明確となる吸収合併であっても文化融合は困難であるのに、対等であればこそ尊重し合う必要はさらに大切で、その分ハードルも高い。
これは一般論として、合併においては「文化を融合しない」戦略こそ成功を導くと言われている。そのためには、文化を2 種類に分けて考える必要が出てくる。一つは価値観文化。これは会社の持つ美学、美学的価値基準、世界観、ブランドの哲学、スタッフの意識、チームの空気感などが当てはまる。もう一つは行動文化。行動基準と同義で、いわば会社の仕組み・型である。仮に価値観文化を融合しようとすれば、中間管理職やスタッフの中に変化に対応できない・拒否感をもつ事態も発生し、対立が生じ、それまで守ってきた価値観はあっという間に崩壊してしまうリスクになる。それぞれの価値観文化で育まれてきたため、混乱をもたらす。そこで大切なのは、価値観文化は融合せずに、行動文化の融合に留め、シナジーを高めながら、共通の型を作っていくことにある。 文化を融合しないという前提で合併に成功した事例としては、リクルートとIndeedもその一つ。Indeedの本社はそのまま海外にし、ブランドも統合せず、いわば価値観文化は分離したまま、行動文化である共有基盤をゆるやかに統合していった。YahooとLINEも同様に、価値観文化融合を避けて混乱を回避している。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月1日号)