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  • 社説:潮目
  • 25.01.29

メディアのキャンペーン 多額のバラマキに業界の危機感

マイナビウエディングは、12~ 1 月のカップル応援キャンペーンとして、指輪探し&式場探しで最大【25万8000円】分の電子マネーをプレゼントしている。内容を見てみると、指輪探しが来店1 万円分、さらに限定ブランドであればプラス3000円。実際に購入に至った場合は、5 万円以上~15万円未満1 万円分からスタートし、最大は100万円以上の購入で10万円分のプレゼントとしている。つまり指輪で最大11万3000円分となっている。
一方式場探しについては、見学・フェア参加で1 式場2万円分、2 式場3 万円分、3 式場4 万5000円分。成約の場合は見積書の金額に応じ、30万円以上~100万円未満1 万円分、最も高い500万円以上は10万円分となっており、式場探しは最大で14万5000円。指輪探し、式場探しの全ての条件をクリアすると25万8000円分になるという仕組みである。ちなみにゼクシィは3 式場の見学・フェア参加・オンライン相談会参加+成約+口コミ投稿、指輪選びの予約・購入を全てクリアすると合計9 万1000円。ハナユメは同様の内容で9 万2000円であり、マイナビウエディングは倍以上の料金設定となっている。
ブライダルの来館数は、コロナ禍以降回復が見られず厳しい状況だ。ブライダルメディアの最大手でCMを積極的に展開しているゼクシィの集客でさえ減少しているという声が多いことを考えれば、その他の媒体からの集客はそれ以上に厳しいと容易に想像できる。最近ではインスタ運用、SNS広告などを駆使した自社集客を強化する企業も増えており、ある大手企業では今年の出稿計画を大幅に見直し、ゼクシィ以外の既存メディアに投じていた資金をWEB、SNS広告に切り替えるという話もでている。そうした環境で自メディアからの送客を増やしていくためにも、金品(電子マネーを含め)をばらまく手法を取らざるを得ず、その額によって他のメディアと差をつけていく判断に至るのは自然の流れだ。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月21日号)