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  • 24.05.20

《ありがとう桂由美さん》世界中のショーでヘアメイクを担当 美しさを追求するプロ意識【マリエ取締役 長谷川 清美氏】

 美容師を辞める覚悟で24年前に名古屋に嫁いだ後、持病が悪化し1 ヵ月入院の大病になり退院。歩くこともままならない時に目に止まったのが、全日本ブライダル協会プランナーのセミナーでした。2 泊3 日で参加したその時が、桂由美先生と初めて、かつ私の美容人生を劇的に変えた出会いでした。そのセミナーでは多くのことを学びました。その学びが今のマリエの企業理念になっています。
 セミナーの翌年、ルーマニア・ブルガリア国交100周年で開催された【Yumi Katsuraコレクション】の美容師募集の案内に手を挙げ、恐る恐る参加をしたバックヤードでした。そこから毎年パリ・ニューヨーク・シンガポール・ミャンマー・韓国・中国・東京・大阪・名古屋と数々のバックステージを担当させていただく中で、桂由美ワールドに学び、感動し、この方についていきたいと必死の思いでした。
 桂由美先生は一切妥協をしない方です。数有る思い出の中での最近の出来事が、赤坂迎賓館開催の東京コレクション和装を担当した時のこと。前日のリハーサル時に、打掛の色に合わせた髪飾りを手作りで用意していました。桂先生に見て戴くと首を傾げられ、「ちょっと色が違うわね」と。すでに21時でしたが、先生は「明日までまだ時間があるわよ・・」と笑顔で言われました。何とかカラースプレーを入手し、色合わせに間にあわせました。
 衣裳1 点1 点すべてにかける思い、お客様に最高の形で観ていただくために、時間が無くてもステージギリギリまで諦めない方でした。そして、瞬時に最高のバランスを見つける美的センス。コレクションが終わるといつも「ありがとうございました、長谷川さんは同志だから」と、労いのお言葉をいただき、その時の先生の笑顔は私の心に刻み込まれています。美しさを追求するプロ意識、諦めない気持ち、すべては日本の花嫁の為にそして、日本の為にと素晴らしい生き方と考え方を伝授いただきました。
 弊社マリエの企業理念やお客様に対する思い、長谷川清美のこだわり総てが、桂先生から戴いた最高の贈り物です。先生のメイクをさせていただく時、何時も私の家族に気遣いをしてくださり、少女のような笑顔でありがとう!と言ってくださっていたことを決して忘れません。桂先生、23年間本当にありがとうございました。先生不在のブライダル業界が今後どのように変わっていくのか想像することさえ出来ませんが、いただいた教えや大切なことを今後も沢山の人達に伝え続けて参ります。共に過ごした素晴らしい人生の時間をいただけて、心から感謝申し上げます。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)