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  • 社説:潮目
  • 24.05.16

業界を導き続けた先生 未来を担う若手へのエール 

「写真と握手イイっすか?」 2015年9 月30日から10月5日、日本橋三越本店で開催された、桂氏の創作活動50周年記念展『桂由美の軌跡~SHINING FOREVER』。9 年前のイベントではあるが、初日のオープニングイベントに取材で足を運んだ際の桂氏と男性2 人のやり取りを、今でも鮮明に思い出せる。 
イベントでは、桂氏がこれまで手掛けてきたドレスの展示のほか、著名人・芸能人の結婚衣裳を、式当日の写真と合わせて紹介。多くの人が桂氏の軌跡を見ようと、イベントに足を運んだ。その中で、桂氏に写真と握手を求める若い男性2 人の姿があった。今ドキの若者という言葉がしっくりくるようなファッションをしており、言葉を選ばずに言うと、“チャラさ”も感じる2 人であった。 
桂氏に話しかけるその様子を少し見ていると、「服飾系の学校に通っている」とのこと。見た目の雰囲気からも、おそらく20歳前後であることがうかがえた。握手と写真を求める2 人に対して桂氏はどのように対応するのか気になっていたところ、「もちろんよ」と快諾。笑顔で応じていた。その際2 人には「ちゃんと学校で勉強してる?服飾業界の未来は、あなた達若い世代が担っていくの。それを忘れずにしっかり学びなさいね」と、エールを送っていた。 
桂氏はいつだって、花嫁を美しくすること、未来の業界を素晴らしいものにすることで頭がいっぱいの人だった。ブライダル業界においては先駆者であり、誰もが知るレジェンド。それでいて驕ることなく、若い世代など誰に対しても公平な態度を貫いていた。 桂氏は多くの人から『先生』と呼ばれ、親しまれていた。亡くなった今改めて感じるのは、桂氏ほど『先生』という言葉がしっくりくる人はいないのではないか。 
逝去のニュースがYahoo!ニュースにアップされると、コメント欄にはご冥福を祈る言葉とともに、温かいメッセージで溢れた。「結婚式で着たYumi Katsuraのドレスは、私の一生の思い出」、「お色直しのドレスもYumi Katsuraにした」。桂氏の衣裳が高い支持を得ていることが伝わる内容だけでなく、「私に似合うドレスを先生から直接提案してもらった」など、第一線に立ち続けた桂氏本人に対するコメントも多数見られた。 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)