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  • 社説:潮目
  • 24.03.28

ホテルW最大のチャンス 中長期的視点での位置付け

 ゲストハウスの勢いに圧倒されてきたホテルウエディングであるが、今最大のチャンスが訪れている。少人数婚の拡大に対し、多くのバンケット・スペースを有しているからこそ的確な提案も可能となる。コロナ以降、若者層のホテル利用も増加、最近では一般宴会需要も沸騰しているからこそ、そうした利用者をブライダルに取り込める可能性も高まっている。ところが、ホテルウエディング復活の足音はなかなか聞こえない。最大のチャンスを阻むのは、結婚式に対する経営層の消極的な姿勢である。
 前述したように一般宴会は完全にコロナ前の水準に回復しているホテルも増えており、さらにはインバウンド需要を追い風にして宿泊も絶好調だ。宿泊が伸びれば、レストラン・ルームサービスの料飲部門も潤ってくる。宴会料金、宿泊料金共に、値上げをしても予約は殺到している状況。都内の一般宴会は1 人1万5000円前後にまで達していて、宿泊もまたコロナ前の倍に近い水準になっている。
 各部門の売上・利益が好調に推移している中、唯一不振にあえいでいるのが婚礼部門だ。ゲストハウス並みにゼクシィを始めとした広告出稿を費やせない以上、集客もままならない。そうした状況であれば、優秀な人員を好調な他部門に回すのは当然のことで、そうなれば全体のスキルは低下し成約率もなかなか高めることはできない。限られた人員での運営によって、集客があっても新規接客にアサインできる人員を揃えられないという話も耳にする。
 目先だけでなく、中長期的な視点に立って婚礼をどのように位置づけていくのか。ホテルは何度でも利用してもらえる生涯顧客化のコンテンツを数多く保有しているからこそ、婚礼はその後のリピーター獲得のためのタッチポイントになりうる。つまり今の顧客(新郎新婦、ゲストも含めて)が未来のリピーターになるという意識をホテル全体で高めることが必要だ。もっとも、コロナで打撃を受けたホテルにとって、現在の活況は目先のキャッシュフロー改善の大きなチャンスにもなっているため、なかなか中長期的な視点に立ちにくい。特にオーナーではない経営層のミッションは任期中どれだけ数字を上げられるかにあり、なおさら中長期的な視点から婚礼を頑張ろうという機運にならないのも仕方ない。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月21日号)