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  • 社説:潮目
  • 23.10.31

大学生のスマホ検索事情 インスタの活用は日常に限定

 先日、経営学部内に観光・ブライダルコースを設けている明星大学でゲスト講師として授業を担当した。男子学生30%、女子学生70%で、ブライダルマーケティングをテーマにした講義であったが、何かを教えるというよりも、Z世代と言われる学生たちの意識を掴むいい機会となった。
 当日の講義ではまず、それぞれのスマホを使って「友達と一緒に食事に行くお店を探す」というテーマを与えた。自分自身が行ったことのある店、チェーン店なども出た中で、どんなツールを使って探したのかを聞いたところ、3分の2 がインスタを活用していた。平均単価は男子学生が3000円前後、女子学生は4000円前後となった( 3 年生対象であったため、アルコールの代金も含めての単価)。
 続いて出したお題が、「高級な一人3 万円前後の店を探してみる」。友達と行く店はインスタを使っていた多くの学生であるが、高級店の検索で活用したのはわずか1 名。その1 名も、自分の知っていた名前の店を探していた。他の人たちはGoogleなどの検索サイトを使い、【3 万円、レストラン、個室】といったキーワードを入れて検索。そこからグルメサイト(サイト名までは意識せず)に入り、思い思いに店を選んでいた。1 万5000円前後のクリスマスディナーに利用したいお店という設定においても、高級店と同様の検索方法であった。
 「Z世代はSNSしか使っていない。」、「Google検索などもしない。」といった業界関係者の話もあって試したわけだが、実際には何を探すかによって様々なツールを使い分けている。学生たちがインスタを日常使いし、店探しや買い物などに利用していることは確かであるものの、知識もなく、さらには非日常の【モノ、コト】を探す際には、様々な軸で検索のできるGoogleを活用している。Z世代はこうであるという固定概念でとらえようとすると、彼彼女たちへのマーケティング戦略は誤解のままコストだけどんどん嵩むことになりかねない。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月21日号)