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  • 社説:潮目
  • 23.07.26

『結婚式の連続性の断絶』列席経験の減少は影を落とす

 20歳代の人たちと話をしていると、「結婚式の連続性の断絶」を感じさせられることが多い。コロナ禍の2年半は、結婚式開催を控える傾向にあった。ここ数年で結婚をした友人・知人はいたものの、結婚式は実施していないこともあって、25歳を超えていても列席経験はゼロ、または一度だけ。当然、自らが結婚をする際にも、結婚式を実施しようという意欲はまったくない。25歳を過ぎれば、周囲の結婚式に呼ばれることも増え、その列席経験から結婚=結婚式というイメージも膨らんでいくものであるが、列席経験、自身の結婚式へのモチベーションというこれまでにあった連続性はコロナによって完全に断ち切られている。つまり、これからの結婚式実施機運をどんどん低迷させていくのではと不安を感じさせられる。
 連続性に関しては、ブライダル業界への就職意欲という側面もある。当社でアルバイトをしている大学生は、大手ブライダル企業から内定をもらっているが、結婚式の仕事に就きたいと思うようになったキッカケを聞くと、小さいころに親戚の結婚式に列席したことで、結婚式の仕事に憧れていたという。ブライダルの仕事への関心が、幼いころの列席経験だという人は多い。ところが2年半によって、こうした機会は失われた。
 結婚式実施数だけではなく、その何十倍となる列席経験が失われたことは、今後により深刻な影響をもたらすのだろう。さらに、「コロナだから」の選択肢であった少人数、フォトのみが今後もさらに定番化することによって、列席経験の機会はどんどん少なくなっていく。ブライダル業界全体として、未来の顧客になりうる人たちへのタッチポイントが縮小していけば、結婚式は無理に実施しなくてもいいという社会通念は広がっていき、大きな危機である。
 断絶を再び繋ぎとめていくためには、列席数を増やしていく取り組みが急務。その対策として、T&Gの岩瀬賢治社長は、「未成年者を無料にするなどの対応は必要かもしれない」と指摘する。華やかな会場での心温まる様々なシーン、豪華な料理を初めて食べるといった経験は、子どもや10代の若者に対して、より大きな心理的なインパクトを与えるのも当然。その時期に結婚式への憧れを抱いてもらうことができれば、10年後の顧客、さらにブライダルの仕事に就こうという新たな繋がりを生みだすこともできる。未来への投資である。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月21日号)