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  • 社説:潮目
  • 23.05.05

企業連携で移籍の円滑化

業界外への人材流出を防ぐため
 大手ブライダル企業の2 人の経営者と会食をしていた際、実に興味深い話となった。業界全体が深刻な人材不足に陥っている中、特に即戦力の中途人材に関しては、採用コスト負担がどんどん高まっている。募集をかけてもなかなか計画通りに集まらなければ、その分広告費用はどんどん膨らんでいく。エージェント会社に依頼する方法もあるが、給与水準は全体として高まっているため、年収の3 分の1 が相場の紹介手数料負担も増している。エージェント経由の場合には、年収300万円の人材を採用するために、100万円の手数料がかかってくる。
 こうした状況に対して改善策として話に出たのが、企業間の人材流動化だ。両社共に、中途に応募してくる人材は、他のブライダル企業に勤めていた経験者が中心である。新たな職を求めている人材を求人市場で採用するには相応のコスト負担がかかってくるのであれば、企業同士の連携によって、移籍をできるような環境整備も必要ではという考え方だ。求人市場で職を探す前段階で転職を希望する人材を紹介しあうような仕組みができれば、せっかくこの業界で知識・経験を培ってきた人材を他業界に流出させる可能性はおさえられる。
 A社の運営する施設は、地方中小都市が中心。一方でB社は、都内をはじめ大都市圏で展開している。例えばA社で働いていたプランナーが、結婚などを機に東京都内での勤務を希望した場合、地方都市中心の自社ではそもそも配属させる施設はない。その人材は、都内での勤務場所を求めて退職し、求人市場で新たな仕事先を探すこととなる。それならば、都内に施設を展開するB社を紹介することで、当該プランナーの勤務地の希望は満たされ、B社にとっても採用のための多額なコスト負担が不要となる。これは逆の場合もしかりだ。
 勤務地の希望を叶えるだけでなく、例えば調理スタッフの場合には、2 社の仕事を経験することによって異なるスキルを身に付けられることで、モチベーションアップにも繋がっていく。お互い異なる業態のレストランも展開しているため、キャリアアップの選択肢もその分広がる。プランナー以上に調理スタッフの採用は厳しい状況であるからこそ、人材を企業間でシェアしていくメリットは大きい。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1日号)