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  • 社説:潮目
  • 23.02.28

面倒な経験が価値を高める ゲストへの想いを込めた宛名書き

 情報過多の時代だからこそ【経験価値】の提供が重要になっているというのは、マーケティングの通説だ。では、結婚式における【経験価値】とは何なのか。本来であればもっと手軽に、もっと効率的にできることも、結婚式だからこそあえて面倒を経験することで、新郎新婦・ゲスト双方の「思いやる」という価値が高まっていくのではないか。
 例えばWEB招待状。ネットなどで繋がっている友人・知人の住所を調べる必要もなく、一度に多くの人に送ることでゲスト人数が増える可能性もある。送付までに必要な様々な手間を省けることもあって、WEB招待状を使用する結婚式の割合は年々高まっている。確かに手軽で効率的なものであるわけだが、結婚式の価値を考えた場合にはそこにかかる面倒な経験は、実は大切なことではないか。
 一生に一度の大切な日に来てくれるゲストは、貴重な時間を使い結婚式に参列し、しかも安くはないご祝儀を渡してくれる。それを考えれば、招待状一枚一枚に、下手でもいいから自ら宛名書きをしながらそのゲストとの思い出を振り返る時間は、面倒なことではあっても貴重な経験ではないか。もちろん、カジュアルな結婚式や二次会の場合には、手軽かつ効率的に多くの人にお知らせすればいい。少なくともご祝儀をもらうことを前提としている以上は、招待状一枚一枚に想いを込める行為こそに価値が生じる。
 自筆で宛名が書かれた、紙の招待状を受け取るゲスト側はどうだろうか。普段、メールやLINEでコミュニケーションをとっているのだから、そうしたツールを活用すべきという意見もある。一方で、だからこそあえて手紙(紙の招待状)にすることで、普段とは異なる特別感を感じさせる機会にもなる。結婚式が日常であれば、新郎新婦・ゲストお互いに特別感を抱く必要はない。一生に一度の特別な一日であることを全員が感じてこそ、その結婚式の価値は高まるのではないか。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月21日号)