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  • 社説:潮目
  • 23.01.11

増加する【お悩み層】

 低価格、少人数向けWをプロデュースしている会社の新規接客に、新郎新婦が殺到しているという。もっともその内容は、同社で提供している商品を求めてというわけではなく、まだ何も決まっていないからどのような結婚式を実施したらいいのか相談したいというケースが増えている。この会社は式場紹介カウンターの機能を有していないが、45分間のリモート接客を実施していることで、気軽に相談したいと考える【お悩み層】の受け皿になっている。接客をしてみると、結果として式場での通常結婚式を実施しようと考える人もいれば、悩みはそのままで終了する人もいるようだ。
 この会社にとっては成約率に大きく影響する困った話であるが、同じように【お悩み層】の新規接客が増えているという会場も多い。時期も人数も決まっていない。そもそも結婚式を実施するかどうかも悩んでいて、式場選択の大分手前の存在。こうした層の増加について、そもそも潜在化していたユーザーが温度感は低くても顕在化しているとポジティブにとらえるか、それとも本来は結婚式を実施するはずだった人たちの中で、実施自体を決めきれなくなっている人が多くなっていると考えるか。仮に後者の傾向が進んでいるとすれば、婚姻数の減少と共に通常結婚式の実施率も落ち込んでいくことになりかねない。
 結婚式の少人数化、低価格化はコロナを機に業界全体の課題になっている。とは言え、こうした傾向とは明確に一線を画す企業もあり、顧客の絞り込みによりポジショニングを確立している。その筆頭というべきは東京會舘であり、リコンファーム段階で40名以下の結婚式の場合には平日などの限定した枠しか用意していないことを伝え、結果としてその段階で新規集客を絞り込んでいる。都内屈指の人気会場であるからこそ可能とも考えられるが、同時に初期見積もりの料金も最終着地と大きく乖離させないことで、一定人数・料金帯のユーザーからの評価を獲得してきたのも事実。一貫した姿勢が、会場の地位を築く源泉になっている。
 ブラスやノバレーゼも同様だ。いずれもワンバンケットスタイルの会場で、通常人数帯を志向するユーザーからの評価は高い。大幅な値引きでの新規受注競争とは一線を画すことで、業績も好調に推移している。
 ブライダル業界の常であった、初期見積もりを安く見せてまずは獲得。そこから打合せでのアップセルにより100万、200万円高めていく手法であるが、初期見積もり段階だけをみれば、いわば【安売り】というイメージになってしまう。通常人数帯、料金帯を全く考えていない顧客を数多く取り込んでしまう可能性も高く、コロナの影響で思うようなアップセルを果たせずに一組単価は大きく落ち込む。それに対し、初期見積もりから適正料金を提示する企業は、その段階で絞り込みがなされていることになり、結果少人数化傾向とは一線を画している。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1・11日新春特大号)