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  • 社説:潮目
  • 22.11.22

多様化を取り込めない

画一的なパッケージからの脱却

 取材のなかで最近よく聞く言葉が、【結婚式の多様化】である。これまで結婚式と言えば平均単価300~400万円、同一施設内で挙式・披露宴を実施するものであり、情報誌などにおいてもスペックの比較が主であった。このスタイルがどんどん多様化しており、いかに対応していくべきかの認識は一気に進んでいる。
 もっとも、多様化するスタイルを取り込んでいくための施策に関しては、結局のところ画一的な範疇を超えず、それだけで果たしていいのだろうかという疑問も感じる。例えば人数減少に対して、単に少人数プランを作る程度で、本来の多様化を満たすものにはなっていない。少人数の中でも多様化は進んでいる以上、それを取り込んでいくのであれば、一つひとつに合わせた多くのプランが登場するべきだが、実際には画一的で一括りにしたものばかりだ。
 その背景としては、多様化を感じながらも、ではどのように多様化しているのかを理論的に把握できていないからではないか。少人数一つとっても、親族だけ、友人だけなどゲストの構成は様々。また開催動機も、「本当は通常人数を実施したかったがまだ感染不安もあるため」、「もともと実施する予定はなかったものの少人数であればやってみよう」、「フォトを実施しているからごく簡単なパーティーだけでも」など、それぞれで大きく異なるはずだ。ゲスト構成、開催動機が様々であれば、当然そこに提案する商品も多岐にわたってくるのは当然。ところが少人数と一括りにパッケージ化しただけのプロモーションに終始している。
 ブライダル業界では長い期間、新婦の属性を表すクラスターを基軸に、ターゲット選定からマーケティング戦略を構築してきた。コンサルタントの中にも、未だにクラスター依存から抜け出せない人はいる。新婦の属性だけに基づいた対応では限界も出ているからこそ、業界内では多様化が語られるようになっている。実際に新郎新婦の関係性、コロナによる家族の影響度も大きく変化している今、単純に新婦軸のいくつかのクラスターだけではとらえきれない。多様化を取り込んでいくのであれば、新郎や家族の影響を把握した上で、そこを味方にするようなプロダクトが次々に登場してもいいわけだが、現実には新婦軸からなかなか抜け出せない状況だ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月11日号)