NEWS
ニュース
- 連載
- 22.10.28
:連載70:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第70回『ブライダル法務Q&A vol.10「改めて『音楽著作権』のギモンに答える」~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

BRIGHTでは10月6 日の札幌開催を皮切りに、東京、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡と全国を行脚して「ブライダル法務セミナー」を順次開催しています。札幌セミナーにおいては、「音楽著作権」についての質問が最も多かったため、その中の一部をQ&A形式で紹介します。
Q 参列者から「余興用の映像を作成するにあたり市販楽曲を複製したいが、音楽著作権の許諾はどうすればよいか?」と質問された際、どのような回答をするのがベストなのか、悩ましいです。どのような回答が望ましいと思いますか?
A 参列者による楽曲の複製行為については、大まかに区分すれば①参列者ご自身で申請をしてもらうよう促す、②事業者側が参列者に代わって申請を行う、の2 つの方法が考えられます。ただ、①の場合には、参列者が直接申請できる代行機関が存在しないため、参列者自身で楽曲ごとに著作権管理団体や許諾の可否を調査し、適切な窓口に対して申請を行ってもらう他ありませんが、簡単ではないという難点があります。
また、②の場合には、参列者の選曲が施行直前までなかなか確定しない場合の対応や、代理申請を受けて手続きをした後に「楽曲変更」が発生した場合の対応という、現場に相当な手間を強いる課題が残ってしまいます。それぞれ課題が残るため、筆者としては「常にこれがベスト」と断じることはできず、各事業者が実態を踏まえて方針を決定するしかないように思います。
Q 事前相談がないまま参列者が「明らかに音楽著作権の許諾を得ていない楽曲付きの映像」を持ち込んだ際でも、現実問題として一律に上映を断るのは難しいため、「後日必ず許諾申請をしてください」と窓口の連絡先を案内し、申請することについて同意を得た場合に限り特例として上映を認めています。このような対応に不足はありますでしょうか?
A 原則として複製権の許諾は「楽曲を複製する本人」が申請するべきものですから、仮に参列者が適正に許諾を得ていなくても、それを上映しただけで複製した訳ではない会場が責任を追及されるものではないはずです。とは言え、音楽著作権管理団体からは「婚礼事業者が適正な許諾を得ていない複製物の上映を黙認した場合には、違法行為をほう助しているとみなされる場合もありうる」と指摘がされており、注意が必要ではあります。
申請の必要性や方法について説明し、後日における許諾申請を促し、同意してくれた場合に限り上映するという姿勢は、楽曲の適正利用の推進に資する対応であり、少なくとも「黙認していた」と批判されることはないと考えます。
Q 直接参列できない方に向けて結婚式の様子をオンラインでライブ配信したいという要望をいただくことがあります。当会場はJASRACとの間で包括契約を締結していますが、音楽著作権について何か手続きは必要なのでしょうか?
A 多くの会場がJASRACとの間で締結している包括契約は、バンケット内で楽曲をBGMとして使用する際の「演奏権」を対象にしたものであり、ライブ配信をする場合には「公衆送信権」「送信可能化権」の許諾を別に得る必要が生じます。
まず、作詞・作曲者への許諾申請については、楽曲ごとに管理団体を確認し(ほぼJASRACかNexToneのいずれか)、設置された窓口を通じて手続きを行う必要があります。次に、生演奏や生歌唱ではなく市販CDを用いる場合には、日本レコード協会の設置する窓口を通じて、著作隣接権についての許諾手続きも行う必要性が生じます。
なお、これら手続きにおいて発生する労力を軽減するべく、筆者は業界内有志とともにライブ配信時の申請を代行する機関Bmasを設立し、JASRACなどとの間で必要な協定も締結しました。年内を目途にサービス開始を予定しており、オンラインを用いたライブ配信における音楽著作権処理を今より簡易に行えるように努めますので、注目または支援をいただけますと幸いです。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)
Category
Archive
- 2025年6月
- 2025年5月
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月