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  • 社説:潮目
  • 22.08.13

「リピートしない」の甘え

1万5000円に見合うサービス

 本紙スタッフの中には結婚適齢世代の女性記者もいるため、最近結婚式に列席することが多いという。列席してみてどうだったかを聞くと、友人知人の晴れ姿に感動したものの、様々な不満も耳にする。料理がイマイチだった、宴会場が窮屈だった、急かされている感じがしたなど。最近多いのは、サービススタッフの人数が少なかったために、呼ばないとドリンクの注ぎ足しもされないといったこと。人員不足の影響は、ゲスト満足度に直結し、引いてはネガティブな反応を生んでしまう。
 結婚式はほとんどが一生に一回でリピートしないために、どこかで【この程度でもいい】という甘えはないものか。サービスについても、これまで1 卓に一人であったのを、人員不足によって2 卓一人で対応しているところもあるという話を聞いた。優秀な人材だけを集めて担当させるのであればサービスレベルに遜色はないのかもしれないが、実際は人が足りないため、やむなくそうした対応をしているだけだ。一人あたり1 万5000円の料理を提供する店と考えれば、サービスの低下は致命傷。普通は、時給を高くしてでも、とにかく人員を集めるという発想になる。料金に見合った満足度を与えられなければ顧客を失うため、コストをかけるのは当然だ。
 結婚式では、「人員不足だから人を減らすのは仕方ない」という企業論理が優先されている。結果として、さらに人員確保は難しくなる。高級レストランはもちろん、居酒屋であっても、顧客満足度を維持するためにとにかく人を集めようと考え、時給は高まっている。サービス業全体の時給水準が高まれば、ホテル・式場の配ぜん時給の優位性は失われていく。サービスは重要であるという覚悟の差が、採用条件に表れてくる。
 現状でも人員不足は深刻化している状況で、施行繁忙期ともいえる秋にはさらに厳しくなるだろう。人がいないから仕方ないと、少ない人数での運営になれば、料金に見合うだけのサービスを提供することはできなくなる。今年結婚式を実施する人は、コロナを経験しながら、それでも結婚式は大切だからと決断してくれた人達だ。この2 年間を考えれば、いつも以上の手厚さは求められるわけだが、現場でサービス人員の不足状態を知った時にどうなるか。そこには大きな危機感を感じる。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1、11日号)