NEWS

ニュース

  • 社説:潮目
  • 21.11.10

PV撮影の様子を許可なくインスタに投稿する非常識

 あるイベント企画会社が、外資系クライアントからPV撮影の仕事を請け負った。ウエディングをテーマにしたPVであり、実際の花嫁を募集し、その商品を使用してもらう様子を撮影した。
 PVの公開までにはクライアントによるチェック(今回の場合は本国のブランドチームの確認も必要だった)、さらにプロではないもののモデルとなった花嫁に念のため映像内容の確認を取るという流れだ。ところが確認を進めている段階で、その時に撮影した映像がインスタのストーリーに突然投稿された。
 ウエディングがテーマということで、撮影を依頼したのはブライダル関係の会社。撮影当日、その会社のカメラマンと共に、2カメで収めておきたいということで同じくブライダルを主にしているフリー人材がサブについていた。企画会社側は、撮影会社の判断であるためそのまま2名での撮影を許可したが、インスタに映像をアップしたのがそのフリーのカメラマンであった。もちろん誰の許可も得ずに、自ら撮影したものを勝手に編集していた。
 クライアント企業、商品名、さらに企画会社の名前をハッシュタグに付けて投稿していたことで、公開後すぐに企画会社が気づき、慌てて撮影会社に連絡を取り投稿を削除させた。そのまま気づかずに公開され続けていれば、クライアントとの契約打ち切りはもちろん、勝手にブランドロゴや商品画像を使ったこと、さらに最終的な許可もなく花嫁が写っていた映像を公開したことから、法的な問題にまで発展する可能性もあった。
 「CM撮影などでも、撮影した画像・映像をクライアントの許可なくカメラマンが勝手に公開することなど常識的にはあり得ない。ましてやサブでついて来た立場。非常識なカメラマンがいることに驚いたと共に、ブライダル業界ではこんな低い意識でも仕事ができるのかと唖然とした。」と企画会社は怒りを口にする。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)