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  • 21.06.27

:連載54:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第54回『ブライダル法務六法全書 ~仕事に使える法律を厳選解説~ ⑥民法Ⅱ』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

 1年をかけてブライダル業務に関係する法律を解説していく今年のコラム。前回に引き続き超重要法律「民法」の超重要条項を順に解説していきます。

1.今回取り上げるテーマ
 今回のコラムでは『債務不履行』(民法第415条)という考え方と『損害賠償の範囲』(民法第416条)について取り上げます。ブライダル業界をはじめサービス業には宿命的に付きまとう、「クレーム対応」の際に知っておくととても役に立つので是非参考にしてください。
2.ブライダルで何が問題になるのか?
 民法では、契約に基づいて商品やサービスを提供しなければならない者(事業者)が「契約通りの商品やサービスを提供できないとき」(この状況を『債務不履行』といいます。)には、商品やサービスの提供を受ける側の者(お客様)は、それにより被った損害について「賠償請求ができる」と規定しています。一方で、もし『債務不履行』となった原因が「社会通念等に照らしてやむを得ないような場合」に限っては賠償責任を負わない、とも規定しています(民法第415条第1項/意訳)。

 ブライダルの現場においてこの条項が問題になるのは、提供したサービスに不満をもった顧客からクレームが寄せられた場合です。ブライダルの現場で発生する具体的な問題に照らしてもう少し詳しく掘り下げていきましょう。
①顧客からクレームがあれば全て法的な責任が生じるのか?
 注目すべき点として、民法は事業者に『債務不履行』が認められる場合を「契約通りの商品やサービスが提供できないとき」と限定しています(実際の条文では「債務の本旨に従った履行をしないとき」となっています)。
 つまり、本来事業者として提供すべきレベルの商品やサービスを提供していたにもかかわらず、顧客の期待がもっとハイレベルなものであったことから不満が生じ、クレームが発生したような事例(ブライダルの現場では非常によくあります。)においては、どんなに厳しいクレームであっても、法的には『債務不履行』は認められず、事業者は返金や減額をする義務を負わないという場面があり得るのです。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月11日号)