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  • 社説:潮目
  • 21.06.14

岐路に立たされている会場

 コロナ禍で低価格・少人数化傾向が顕著に現れているが、ブライダル会場にとっては、目先のニーズを追えば追うほど自社ブランドが毀損していき、結果として今後の結婚式受注に影響をもたらす。この1年間だけでなく、3年先、5年先の営業戦略に基づいた判断が求められ、いわば未来に向けた岐路に立たされているといってもいい。
 社会意識が時勢に応じてめまぐるしく変化しているが、それをいち早く察知しサービスに反映させていくことは大切なことでもある。もっとも、自社がこれまで何を大切にしてきて、どんな部分が評価されていたのかをベースにしていなければ、結果として自社の強みすら失ってしまう可能性も出てくる。フォトウエディングのニーズが高まっているからと、他社にはない自慢のチャペルでの撮影を安価でプラン化すれば、結婚式における誓いの場所としての存在価値が希薄化していく。
 低価格、少人数プランも同様。そもそもなぜ多くの人を呼ぶべきなのかを、これまでプランナー達が新郎新婦に語ってきたはず。2人の人生でお世話になった人たちに、感謝を伝える場であると。コロナ禍で止むをえず少人数にしなければという新郎新婦への対応は別にして、単純に少人数化傾向を踏まえてプランを作ったというのは、多人数開催の価値を唱えてきたことへの説得力もなくなる。これは低価格プランも同じで、料金に対する価値を自ら貶めてしまっている。高級ブランドがコロナ禍だからと安売りを続ければ、ブランドのファンは離れていき、その後の値上げが難しくなるように。
 もちろん、当座のキャッシュフローのためにという理屈はあるものの、それは顧客には関係のないこと。これまで高めてきた(守ってきた)ブランドが、一気に落ちていくという可能性を踏まえて、岐路に立たされている状況で、未来を見据えた営業戦略を構築することが大切だ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月1日号)