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  • 社説:潮目
  • 21.04.06

非常時であるにもかかわらず【偵察】が増えている問題

 新規来館については年明けに比べれば回復傾向にあるものの、成約率が落ち込んでいるという声を頻繁に耳にする。プランナーの接客力の課題はさておき、結婚式場を探そうという母数がまだまだ低い水準であり、そのためメディアにおいて複数会場の見学を強力に推奨しているのではと不満を抱く支配人も。それまで初見が多かった会場が、3軒目、4軒目となっている。またより深刻な現象として、館内案内、試食をするだけで、見積もりはいらないというこれまでにないカップルの姿勢に困惑している。
 この背景には、メディアの来館キャンペーンがある。複数会場への見学を推奨するのはこれまでもあったが、見学を証明する材料として会場見学時の写真だけでOKとするところが増えている。商品券目的であれば、見積もりはいらないとなるのも当然だ。
 キャンペーンは集客を増やす上では大切。ハードルを低くすれば、母数も増え、より気軽に見学してもらうこともできる。ただ成約数、成約率にシビアになっている会場にとっては、結果として成約可能性の低いカップルに接客枠を与えなければならず厳しいところだ。
 成約減の話の中には、関東都市部の会場で聞いた「3月に入ってから、明らかに他会場からの偵察来館が増えた」という由々しき問題もある。コロナ以前においても、特に2月、3月については、偵察来館が問題となっていた。4月に入社してくる新入社員に対し、自らの勉強と他会場の情報収集のために(新人であれば下見であることもばれにくい)、この時期に偵察させる動きがあったのも事実だ。コロナ禍で集客も戻り切らず、さらに成約も落ち込んでいる状況で、まったく決める気がない偵察行為は、営業妨害の域をはるかに超えた道理に反する非常識の行為といえる。
 こうした偵察行為は、ブライダル業界における悪しき慣習であった。それに対抗するため、他社からの視察を事前に申し出てもらえれば、ウエルカムで受け入れるという姿勢を打出している企業も出ている。見たければ、どんどん見せますという対応だ。会場のリアルな様子や接客のノウハウを盗みだされるコト以上に、限られた接客枠を偵察に取られれば、逸失利益をもたらすことになるからだ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月21日号)