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  • 社説:潮目
  • 20.12.22

感染対策の知恵を出し合う機会

 10月、11月の結婚式施行は、最悪な時期を脱して大分戻ってきたという声も多い。感染再拡大で3 月までの施行に関しては再度の延期なども懸念されている。一方、この時期に残っている結婚式は比較的開催に前向きな人たちも多く、人数が減少する可能性はあるだろうが、一時のような大量の延期には至らないだろうと分析する経営者も多い。まだまだ通常通りには程遠いとはいえ、少しずつではあるが回復の光が見えてきたのは胸をなでおろす。

 一方深刻なのが、一般宴会だ。感染拡大している都市部では、飲食店への自粛要請が出されたことで、年末年始に期待されていた企業の忘年会、新年会も開催を断念する風潮が高まっている。12月、1月のシーズンに、一般宴会の予約がわずかながら戻っていたホテルも、感染リスクを考慮したキャンセル対応が続出している。企業自体が、多人数宴会を控える傾向が高まっているため、回復のチャンスが霧散してしまった。

 そうした中、一般宴会に関連する事業者の団体が、予定していた忘年会を中止にした。感染再拡大の時勢を考慮した判断とのことだが、この判断には残念な思いを感じてしまう。というのも、この団体は一般宴会の感染対策ガイドラインを策定し、それを厳守していくことで宴会再開に向けた政府の支援を陳情しているからだ。安全に開催できる基準を作り世の中に開催を呼びかけようとしていたのに、自分達主催の忘年会を中止にするというのは、時期を考慮したとはいえ、やはり矛盾を感じてしまうものだ。
 もちろん感染数の推移やタイミングを考慮すれば、致し方ない判断とも言えるが、こうした時期だからこそ万全な対策を考え、それを業界全体で共有していくチャンスであったのではないか。自ら一般宴会開催に危機感を抱いているのに、果たして開催をお願いすることが出来るのだろうか。開催を前提に考えるからこそ、様々なアイデアも生まれる。それを諦めてしまったのは、やはり残念だ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)