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  • 社説:潮目
  • 20.09.30

地域全体への波及効果、今こそ地産地消の結婚式づくりを

 東京都三鷹市が7月から、「デリバリー三鷹」をスタートした。ステイホームで需要が一気に高まった、ウーバーイーツなどの宅配代行を自治体主導で行うユニークな取り組みで、文京区に続いての支援策だ。市内の飲食店が作った弁当を、学生が注文者の自宅に宅配する仕組みで、利用者からは手数料、配送料などは取らずに、学生の人件費は市の予算から捻出する。
 これは顧客、飲食店、宅配を担う学生にとって三方よしの取り組みでもある。顧客にとっては、配送料などがかからずに注文ができる。コロナ禍で厳しい状況の飲食店にとっても、宅配をスタートすることで売上増が見込める。市では新たにテイクアウトを始める飲食店向けに、導入のための補助金制度も設けている。配達する学生にとっても、アルバイト先の都合による収入減を補うことができる。
 各自治体のこうした支援策のポイントは、一つの取り組みによって多くの住民、企業、従業員をサポートすることが出来るかどうかが非常に重要だ。三鷹市の事例はまさにその典型である。

 先日、都内のあるウエディング協議会と共に区議会議員を訪問し、政治行政としてブライダル産業の支援策を提案した。結婚式が開催されることにより、地方からも多くの人が集まることになり、宿泊や飲食など地域内の経済振興に貢献できることを説明したが、そこで言われたのが他の業種への波及効果だ。ブライダル企業を支援の対象にすることで、その他の広範囲の企業の利益になるのかという妥当性を問われた。
 佐賀県の山口祥義知事も語っていたが、結婚式は様々な業種が関連している。食材、ギフト、花、美容など、本来は地域内生産者への影響力も大きいはず。だからこそ、地域内の企業、生産者との連携による地産地消スタイルへの期待も示していた。佐賀ブランドで固めた、佐賀結婚式を作ってほしいということ。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月21日号)