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  • 20.09.25

:連載45:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『婚礼規約パーフェクトマニュアル<第7回 解約料①>』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

10.解約料

第○条 解約料お客様の都合により本契約を解約する場合には、以下に規定する解約料が発生いたします。
①結婚式開催日から○日前以前の解約   申込金全額
②結婚式開催日の○日前から○日前の解約 お見積額の○%+実費
③結婚式開催日の○日前から○日前の解約 お見積額の○%+実費

結婚式契約の中で、過去最も論争の対象となってきたのが、この「解約料」に関する条項と言っても過言ではないでしょう。コロナ禍において改めて注目が集まっているこの条項について学んでいきましょう。
そもそも解約料については、民法第420条第1 項に以下のような規定があり、各事業者はこれに基づいて解約料を設定しています。

民法第420条第1項
当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。

 ただ、その水準については自由に決めてよいわけではなく、新郎新婦など消費者との契約においては、消費者契約法第9条第1号で消費者保護の観点から「平均的な損害を超えた解約料は、『超えた部分が無効』である」と規定されています。そのため、その範囲内で金額の設定をしなければなりません。この「平均的な損害」の水準をどう考えるべきか、が私たちの業界における大きな課題でした。
 その課題も踏まえつつ、BIAが発表した「モデル約款」において提示された(冒頭の例文のような)「時系列によって解約料が変動する型」が次第に一般的になり、数年前にはこの妥当性を巡って消費者団体に提起された訴訟において最高裁でこの考え方が事実上容認されたことから、この「時系列モデル」は業界内ですっかり定着したと言えます(最高裁も認めているのはあくまで「平均的な損害の算出方法の考え方」であって、具体的な金額等は各事業者が事情を勘案して個別に決定すべきものであることに注意が必要です)。
 この「時系列モデル」は以下のようなメリットがあります。
①結婚式開催日からの日数で区分されていて説明しやすい点
②長年の論争を経て司法の場でも事実上容認されている点

 しかし、以下の課題もあります。
①「懐妊を理由に契約から結婚式開催日までの日が近接している顧客」や「都合があって平均より随分前から打ち合わせを開始している顧客」が解約した場合というレアケースにおいて、常に妥当な結論が導き出されるわけではない点
②自然災害のように「お客様の都合による解約」と言い切れない事情を理由とした解約において、解約料全体の請求権が否定されかねないリスクがある点
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月11日号)