NEWS

ニュース

  • 連載
  • 20.07.27

:連載43:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『婚礼規約パーフェクトマニュアル<第5回 中間金>』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

8.非常時の特則

第◯条 中間金お客様には、婚礼日の◯日前までに、金◯円を中間金としてお支払いいただきます。

 契約時の「申込金」と婚礼日前後の「決済金」の他に、結婚式の準備段階において「中間金」を設定している会場が少なくありません。結婚式サービスは婚礼日のみに提供されるものではなく、契約時から婚礼日まで(厳密には婚礼日後も片付けやアルバムの納品などのサービス提供があります)「断続的」かつ「段階的」に提供されるます。その性質を踏まえれば、準備段階において「中間金」のお支払いを求めることの合理性は充分認められるものと考えています。
 しかし、結婚式に関する「中間金」の導入については「割賦販売法」の規制に留意が必要です。 この法律は、顧客が「結婚式(婚礼衣裳含む)」や「お葬式」の代金について、そのサービスを受ける前に(1)2カ月以上の期間をあけて(2)3回以上の回数をもって分割して支払う(要するに「前払い」する)仕組みを採用するには、その事業者は経済産業大臣の許可を得なければならないとしていて、違反した事業者には罰則も設けています。なぜそのような規制をしているかというと、結婚式やお葬式などの大切な催物に向けてコツコツと分割払いをしてきた消費者を経済的に保護するためとされています。つまり「せっかく何回も積み立ててきたのに事業者が倒産してしまいパーになっちゃいました」という悲劇を防ごうという趣旨の規制なのです。

 これを踏まえて「中間金」を見てみると、(1)新郎新婦の99%は申込金のお支払いから決済金のお支払いまで2カ月以上は空いていますし、(2)「申込金」「中間金」「決済金」と3回の支払期間が生まれることになるため、中間金の設定はこの法律に抵触するように見えてきます。
 「だったら経済産業大臣の許可を得ればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、実は許可を取るためには「自己資本比率90%以上」や「前払いで預かっている金額の1/2に相当する金額の供託義務(結果、自由に使えなくなります)」などかなり厳しい財務条件等が課されており高いハードルがあります。

 私たちの業界では、コロナ騒動を受けて多くの会場が契約のあり方そのものを見直し始めました。筆者も、「最強の婚礼規約」と題して、サービス提供の段階にあわせて代金が発生する仕組みを提唱しています。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)