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  • 社説:潮目
  • 20.07.13

ブライダル業界から社会への発信としてベストタイミング

 四国のある会場を取材した際、WEB上などで自社の感染防止対策を紹介しているが、そこにコロナの文言はあえて使っていないという話があった。結婚式とは安心、安全が大前提であり、それを会場として説明していく義務はある。一方、コロナの文言を使えば、どこかで不安をイメージさせてしまい、本来幸せで祝福の場でもある結婚式にはそぐわないということだ。その点、今回ブライダル大手各社が発起人になって発表した宣言も、「NEW NORMAL for HAPPY WEDDING宣言」と名付けており、そこにはコロナの言葉が入っていない。これは結婚式のイメージを守りつつ、前向きな印象を与える点でも、やはりブライダル運営企業ならではの配慮とも言える。

 今回の記者会見のタイミングも絶妙だった。22日の発表は、その3日前に移動自粛制限が解除され、新しい生活様式から冠婚葬祭の記述が削除されるなど、結婚式開催ムードに足かせが無くなった状況であった。今後に向けた方向性を消費者に打ち出す必要性も高まっていたことで、まさにベストタイミングであったと言える。徐々に新規集客なども回復し、業界全体の見通しが明るくなってきた中、各式場単位でも消費者への何らかの発信を進めていた。多くの式場が賛同するという点においても、この発表時期が大きな意味をもたらしている。

 今春のブライダル業界の対応を今一度振り返ってみると、感染状況、政府・自治体の対策、社会のムードが刻々と変化する中で、大手各社は非常に慎重なスタンスを取っていた。特に結婚式に関する社会への発信については、様々な影響を鑑みて消極的な判断をする企業が多かった。緊急時の経営判断に関しては、やはりスピード感が重要である。もっとも、今回のコロナ感染に関連した様々な状況の渦中では、先の見通しも立たなかったのは当然のこと。ブライダル業界、ブライダル企業としてどのような対策を進めていくのかも、情勢変化を踏まえて慎重にならざるを得なかった。それこそ感染予防か、経済活動かで世論も大きく分かれていた中で、安易な発信は逆にブライダル業の信頼を貶めてしまうという考えを語る経営者も多かった。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月1日号)