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  • 20.07.06

:連載:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『裁判所での対応とオンラインの相違点』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

 「結婚式のキャンセル料トラブル増加」のニュースが増えている。キャンセル、延期料金の支払い問題が生じ、法的な対応が必要となるケースも出てくる。そうした中、結婚式業向けのオンライン調停サービスがリリースされた。新郎新婦の駆け込み寺になることが十分予想されるが、事業者側はどのような対応をとるべきか。そもそも【調停】とは何かを、ブライトの夏目哲宏代表に聞いた。

 ――ブライダル向けオンライン調停のサービス開始により、納得のいかない新郎新婦の駆け込み寺になる可能性があります。オンラインで簡単にできるという利便性から事業者が申し立てられるケースも増えそうですが、調停という言葉のインパクトはやはり大きいかと。
 夏目「まず、オンラインであっても裁判所の調停であっても、大前提として申し立てに対して応じるか応じないかは自由ということです。事業者側からすれば、こうしたことがないようそれ以前から新郎新婦と話し合いを進めているはずで、応じるかどうかの判断軸として、第3 者が入ったほうがいいのかどうかを考える必要があります。当事者同士の話し合いがもはや難しい、半ば音信不通の状態で連絡もつかないようであれば、調停も一つの手段ですが、両者が合意しなければそもそも話が進みません。さらに、裁判所の調停の仕組みをしっかりと把握することで、果たしてオンラインの調停に対応すべきかのジャッジも求められます。」

 ――裁判所の調停と、オンラインシステムとの違いはどこにあるのですか。
 夏目「事業者側がお金を支払ってくれない顧客に対して講じる裁判所を利用する手段としては、主に3つの種類があります。1つは支払督促。これは裁判所にお金を支払ってくれない旨を申し立て、裁判所から通知を出してもらいます。弁護士を代理に立てる必要もありません。相手側に異議があるのであれば次の段階に移行するのですが、少なくとも裁判所からの通知なので無下にはできにくい面があります。音信不通状態、話し合いすらできない状態では有効とも言えます。次に、裁判所での民事調停です。実は申し立てる際の料金は非常に安く、100万円の申し立てでも5000円です。裁判所で話し合い、裁判官と有識者による調停委員が仲裁に入ります。会議室で順番に話を聞きながら、解決を図っていく。納得できなければいつでも不調にすることができ、また申し立てられた側が費用を支払う必要もありません。調停の末に和解となれば、和解調書という文書にまとめられ、判決文と同様の効力が生じます。仮にこの決定を無視すれば、債務名義があるため給与の差し押さえもできる公的なものとなります。3つ目が訴訟です。弁護士を立てずに提訴するのはなかなか大変ですが、上限60万円までであれば1回の期日で判決が出る少額訴訟という方法もあります。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)