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  • 20.04.23

フリースタイリストの仕事【ドレスリンク×M’s Regalo×鈴木裕子氏】

 インスタの影響によって、提携以外のドレスショップも人気になる時代。厳しい競争の中、ブライダル衣裳業界で勝ち残っていくためには、働くスタッフのスキルが重視されている。また、フリーでも活躍できる土壌が整ってきたプランナーとは異なり、まだまだスタイリストの活躍の場は企業内にとどまっている現状。ここでは、まだまだ数少ないフリーの道を歩み始めた2名のスタイリストと衣裳コンサルタントが、課題と新たな可能性を語った。

会場、衣裳店の循環役
 ――衣裳分野において、新しい仕事をしているそうですが、それぞれの業務内容は。
 和田「衣裳会社向けのコンサルティングを手掛けています。いわば社員、組織をメンテナンス、チューンナップする役割。衣裳会社において、歪が起きやすいポイントは3つあります。一つ目が社内コミュニケーション。二つ目が仕事のやりかた、進め方。三つ目が会社の望む人物像と、社員がなりたい方向性の違い。組織改革を進め、企業内のコミュニケーション活性化をサポートしています。」
 髙橋「もともとドレスショップでスタイリングから店舗管理まですべてに対応していました。2017年に独立後は、骨格診断、カラー診断の知識を学び、花嫁に合う衣裳選びのポイントを伝える仕事をしています。花嫁はショップに行っても、いざ1着を選ぶときにはプレッシャーがあるもの。そこで【ドレスコンサル】という商品を作り、ドレスのない環境で、骨格診断、カラー診断の理論を使いながら、布をあてたりして似合うポイントを伝えています。スタンスはあくまでも、会場、ドレスショップのサポート役であり、基本は結婚式場と提携しています。ブライダルフェアなどで花嫁に知識を教えることで、結果として成約率が25%上がっているケースも。ドレスショップにとっても、事前に顧客自身が自分に似合うものを分かって来店することで、納得しながら単価アップにもつながるわけです。そのためのカルテなども作成し、循環を作り出しています。」
 鈴木「私は大手企業が内製化していたドレスショップから、昨年独立。どこにも所属しないフリーのスタイリストです。提携や内製化の場合、その中からしか選べないため、もっと選択肢を広げてあげたいなと。現在はカメラマンやプランナーなどからの紹介により、直接花嫁に対応しています。最近増えてきたのが、プランナーの影武者のような立場。プランナーからドレスに関する相談を受けアドバイス、それをプランナーが花嫁に提案するという流れです。また、アテンドの仕事、着付け、フィッティングなど、当日の結婚式もスタイリストの視点からサポートしています。」
 ――最近はインスタによる集客などで、フリーのショップの人気も高まっています。
 髙橋「フリーのショップには、提携していない顧客が来店します。素直に案内に入りやすいという側面はあるかと。予想外の顧客をシンプルに楽しめるというスタンスは、100%の成約率が求められる提携店とマインド的なところで違いが出て来るもの。もちろん、同じ土俵なら提携店のほうが強いわけですが。」
 鈴木「勤めていたドレスショップは、自社の式場だけに頼らず、他会場との提携やフリーの顧客もいました。確かに自社会場だと、100%決めなければというプレッシャーはありました。また、顧客層も同じ傾向となり、スタイリストにとっては退屈に感じてしまうことも否めません。フリーの花嫁の場合、何も情報がない状態からの接客。来店前はもちろん、来店した時の花嫁の立ち振る舞い、ファッションセンス、身に着けているブランド、新郎の先・後
どちらを歩いているのか。そういう部分をキャッチしながら、接客に生かしていきます。待っているだけではなく、自分からアピールしていく。この人がど
んなものが好きかを考え、勉強する意識は大切で、そこに楽しさがあり、やりがいも出てくるのではないでしょうか。」
 ――提携の強みを発揮するために、式場とドレスショップの連携が不可欠かと。
 髙橋「式場のインショップであっても、コミュニケーション、情報共有ができていないところもあります。ゴールを共有するだけでいいのですが、できていないことに気づいていない、忙しいから無理というところも。衣裳は商品数も多く、プランナーも分からないことが多いわけです。例えばたくさん試着できるほうがいいと思う人もいれば、プロとしての接客がいいというプランナーもいます。現場の志向によって、案内するドレスショップ、スタイリストも変わってくる傾向にあり、そのため目の前の花嫁にとって似合うかどうかは分からないまま。そこのハブとして、私が存在していると考えています。」
 和田「本来、衣裳店が自分たちの商品をアピールせず、顧客だけは下さいというのは難しいわけです。その結果プランナーも、提携しているショップのパンフレットを10冊以上渡し、好きなところに行ってくださいとなりがちです。衣裳店がプランナーに対して商品や自分をきちんと伝えることで、花嫁に勧めてくれる可能性も高まりますし、逆にプランナーには衣裳店に来てもらい試着をさせることでアピールするべきです。」
 鈴木「会場としてそういったことを積極的に実施するところも増えていますが、それでもドレスを着たことがないというプランナーはまだまだいますね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月11日号)