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  • 20.01.27

:連載38:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第38回『婚礼規約パーフェクトマニュアル<第1回 契約締結編>』~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

 新年明けましておめでとうございます。 
連載4年目に突入したこのコラムは、今年1年をかけて、会場が新郎新婦に提示する【婚礼規約】について掘り下げていきます。不幸なトラブルを防ぐためには、新郎新婦との契約内容の適正な設定と正確な理解が不可欠です。このコラムがその一助になることを祈っています。

1.総論
 そもそも「婚礼規約」とは何のために存在しているのでしょうか?
 その答えは、新郎新婦と会場との契約内容を規定するためです。
 では、会場は自由にその内容を設定してよいのでしょうか?
 答えは、「基本的にその通り」。そうなのです。原則として自由に設定してもよいのです。

 日本の法律では「契約自由の原則」といって、契約を結ぶ本人同士(結婚式の契約であれば主に「新郎新婦と会場」)が同意さえしていれば、それがどんな契約内容であっても、原則として有効なものとして取り扱われます。
 わずかな例外としては、愛人契約など公序良俗に反するものや、新郎新婦の利益を一方的に侵害するようなものがあり、これらは合意の法的な効力が認めらないか、消費者契約法等により契約自体が無効とされます。

 そして、契約を結ぶ本人同士が取り決めていない事項があった場合には「民法や商法などの法律が適用される」という構造になっているのです。
 つまり、新郎新婦と会場との間の契約については、「法律がどうなっているか」よりも前に「契約がどうなっているか」がより大事になる、という関係性にあるため、会場は自社または自社会場の特性を踏まえて適切な(当然ながら適法な)契約内容を設定し、新郎新婦に正しく説明する必要があるのです。

2.「契約成立」のタイミング
 多くの会場で使用されている「婚礼規約」では、実は一番大切な「いつ契約が成立するのか」という条項から「契約自由の原則」がフル活用されています。法律上、契約は「申し込み」と「承諾」があれば成立するものとされ、金銭の移動は契約成立のための要件ではありません。ただ、ほぼすべての会場では「申込金のお支払い」を契約成立の要件としています。

 この背景には以下の理由が考えられます。
①高額な取引であることを踏まえ、お申込金の支払いを求めることで新郎新婦に「本気」での契約を求めるため。
②事前にお申込金の支払いを受けておくことで、解約料等が発生した場合に一部の回収を容易にするため。
③契約の成立を証明する書面を作らないことで印紙税の負担を回避するため。

 ただ中には「いつ契約が成立するのか」が明記されていない「婚礼規約」もあるようです。また「申し込み」や「予約」などの文言が使われ、一番肝心な「契約」の文字がなく、契約の成立時期に関する規定があいまいな「婚礼規約」も散見されます。
 新郎新婦にとっても会場にとっても「いつ契約が成立するのか」は、「他の新郎新婦へのご案内をいつからストップするか」「いつから解約料が発生するか」等の問題に直結する、とても大切なポイントです。適正な条項を設置して、正確なご説明をするようにしてくださいね。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月21日号)