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  • 20.01.13

新連載〔Yumi Katsura千里眼〕中国済南市・インドへの進出も仕掛ける(ユミカツラインターナショナル 代表取締役社長・デザイナー 桂由美氏)

 1月1日に55周年を迎えた、ユミカツラインターナショナル(東京都港区)。同社の代表取締役で、日本のウエディングドレスのトップデザイナーでもある桂由美氏は、今なおブライダル業界の新たなる可能性を求めて日本中、世界中を巡り歩いている。和装オンリーであった日本の結婚式に、ウエディングドレスを着用する文化を広めた第一人者の眼には、さらなる業界の発展のヒントが映し出されている。そこで今号から月1連載で、世界や未来までも見通す【千里眼】を紹介。第1回の今回は、桂氏が描く2020年の動きだ。
 ――昨年は中国済南市でのショーが大成功だったそうですね。
桂「5 年前に、アジアクチュール協会が誕生しました。パリが本拠のオートクチュールアソシエーションが力を占めていた中で、シンガポールの事業家がアジアでもオートクチュールの人材が出て来ているのだから協会を設立しようと提唱。本来であれば、アジアのファッションは日本が先端であるのだから、東京が主導権を取るべきなのですが、経済面から大々的にファッションウィークなどを展開することも難しいわけです。それこそアジア各国からデザイナーを招く費用を、負担する必要も出てきますので。結果として、シンガポールでということになりました。こうした点からも、中国をはじめ、アジア各国の経済力の高まりを感じています。日本の代表的なデザイナーということで、コシノジュンコさんと私が創立メンバーになりました。」 桂「はじめはファッションウィークもシンガポールでやっていましたが、アジア各国で持ち回りをしようということになり、残念ながら東京は費用面から手を挙げない中で、これまで中国とタイで開催されました。昨年は、中国の済南市で開催。日本からは私1 人が参加し、韓国から2 人、中国、インドネシア、オーストラリアの6 人が3日間にわたってショーをしました。ブライダルメインのデザイナーがいなかったため、私が大トリを務めたわけですが、そこではスタンディングオベーションになるなど大きな盛り上がりを見せました。なぜ済南市が協会とタイアップして開催したのかというと、中国における代表的なファッション都市にしたいという想いからです。」
 ――これまで中国で代表的なファッション都市といえば、大連でした。
 桂「以前の大連市長が積極的で、予算をとってウィークも開催していました。私がショーに出た時に言われたのは、一流ブランドのオートクチュールだと、実際に市民が着る機会はなかなかない。しかし、私のウエディングドレスは、結婚式の時にレンタルで着られる可能性があると。市長直々に店を展開したいと言われ、ファッションウィークを主催していたテレビ局が会社を作り、私のドレスを販売していました。現在はその市長が失脚したことで、方針転換している状況で、それに代わろうとしているのが済南市です。余談ですが、大連の親会社がテレビ局だったことで、私のドレスもテレビでどんどん宣伝をしてもらい、一躍有名人になりました(笑)。今でも、日本に旅行に来ている大連の人に合うと、声をかけられます。」
 ――今年は、済南市での展開も注目ですね。
 桂「ショーを見た現地の人たちからは、店を作りたいという話ももらっています。これまで展開してきた中国のライセンシーも整理しながら、現地での展開を進めていきます。それ以外に、ブライダルの学校を作って欲しいという依頼もあります。今や中国のウエディングは、多くの部分で日本よりも優れています。例えば、済南市にショーで招かれた際に、ガラパーティに参加しました。そこで目を引いたのが花の装飾。一流ホテルの会場内に天井から無数にぶら下げているわけです。デザイナーに聞くと、花の料金だけで450万円かけているとのこと。結婚式も花代に300万、400万円かけることが珍しくはなく、華やかさがまったく違います。一方、ドレスについては、まだまだ欧米の模倣に中国の刺繍を入れ込むといった程度。こうしたデザインのスキルを高めるためにも、学校を作って欲しいというわけです。」
 桂「ウエディングプロデュースの点についても、最近の中国では宗教、伝統を演出で活かしつつ、今の流行を取り入れています。例えば、欧米のようにブライズメイドやアッシャーのいる結婚式も出てきていますが、一方で彼らが何のために存在しているのかは分かっていない。こうした知識を、学べる場所がないわけです。現在私は、日本の滋慶学園の名誉校長を務めていますが、中国と繋ぐことで、新しい可能性が生まれると期待しています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、新春特大号)