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  • 20.01.12

[対談~実践!会場全員接客~]施行繁忙期に成約率 15 %UP【The Place of Tokyo 総支配人 鈴木大輔氏×at-heart 代表取締役社長 稲岡利彦氏】

 プランナー一人で戦わせず、サービスや調理を含めた全員でのフォローで新規接客に対応する【会場全員接客】。この方法を指導研修しているのがat-heart(東京都中央区)の稲岡利彦氏だ。昨秋から都内有数の人気会場、The Place of TOKYO(東京都港区・以下TPT)にもノウハウを提供。成約率は15%増を記録している。TPTのGM、鈴木大輔氏との対談から、会場全員接客の実践を紐解いていく。
成約率低下で疲弊する 
 ――会場全員接客を導入しようと思ったキッカケは。
 鈴木「当施設は7 月決算であり、ちょうど今が8 期目になります。7 期目の昨年は、様々な課題に直面し苦戦しました。集客自体は非常に良くて、前期比プラス200組、年間で1700組に達しました。その要因の一つが、昨年1 月から開始した来館者へのクオカード5000円分のプレゼント。また春には、口コミサイトで東京1位に輝いたことで、集客を後押ししました。ところが、集客が増えた一方、顧客の質も大きく変化。例えば、プロポーズもしていない、結婚式をするかどうかも決める前のカップルが増えるなど。厳しかったのは、成約率が一気に落ち込んだことです。その前年が38%だったのがですが、昨期は25%になってしまいました。それでも、新規接客は3 時間やらなければならず、どんどんプランナーが苦しい状態に陥っていきました。最終的に施行組数を維持しても、スタッフの身も心もどんどん疲弊していった1 年でした。それもあって、新たな年度に入る前に、施設として今後何を顧客に伝えていくべきかのフレーム部分から考え直したわけです。同時期にツイッターでの結婚式炎上騒動も発生し、ウエディング業界に対する不信感が大きくなっているのもリアルに感じていました。不信感によって、なかなか即決にも至らない状況。そこで行きついたのが、結婚式は人に任せるのだという考えです。つまり人を売る仕事。当施設の本質は人であり、それならば新規接客の時からそれを前面に出していくべきではと考え始めました。」
 稲岡「会場全員接客の売りは、人です。そんな時にたまたま知り合うことができ、鈴木さんから全員接客の導入を依頼されました。実際に会場を見てみると、プランナーはもちろんのこと、施設のスタッフ全員が非常にポテンシャルが高い。また、親会社が居酒屋を運営している企業ということもあり、調理・サービスとのコミュニケーションも充分に取れていました。新規セールスに関しては、得意でない人とそうでない人がいるのは当たり前。それならば会場全員接客によって、周りがしっかりとフォローすれば、大きく変わるなと思いました。」
 ――会場全員接客の導入にあたり、まずはどの部分から改善したのですか。
 稲岡「すぐに手をつけたのが、確認電話です。金曜日に週末の来館者に関する打合せができるよう、確認電話を木曜日までにするようにし、その仕組みを確立。また、この会場はライトアップされた東京タワーをチャペルの頭上から眺められるといった、夜に特徴があります。そのため、普通に接客の枠を広げていくと、どうしても昼と夜に偏っていくわけです。ただ、施行も入ってくる時間帯では、全員接客のパワーが削られていくことから、朝に寄せていく対応を進めていきました。」
 鈴木「これまでの新規接客のタイミングは9 時~、13時~、17時~の3 枠でした。どの時間帯というこだわりもなく、満遍なく来館を集めていました。」
 稲岡「実際に夜は景色も含めて、そもそもポテンシャルが高いわけです。だからこそ朝に寄せることで、どの時間帯でも全体の獲得のバランスが良くなると考えました。」
鈴木「アドバイスされたように、1 番スムーズに会場内を見学できるのは朝だということを、改めて気づかされました。昼間以降はスムーズでない分、どこかで顧客に負担を生じさせていたなと。現在は9 時~の枠に40%の新規接客を寄せています。しかも全員接客によって、この時間帯の成約率が60%を超えるようになりました。」
人を売る方針への転換
 ――会場全員接客をスタートしたのは、まさに施行の繁忙期である10月です。最も忙しいタイミングで、あえてスタートした意味とは。
 稲岡「TPTは、調理場のスタッフの協力姿勢がもともと強かったため、結果に繋がるまでは早いだろうと。実際に、秋の繁忙期から開始して、成約率も15%程度上がっています。ここで結果が出たことに、1 番意味があります。本来、全員接客の力が最大化するのは、施行が少なく現場スタッフが接客サポートをしやすい閑散期。それ以前から新規に注力できたことで、1月以降の集客シーズンはさらに威力を発揮するでしょう。」
 ――各部門の協力体制を作ることが一番難しいわけですが、その点、TPTは非常に導入もスムーズだったわけですね。
 鈴木「もともと当会場が求めている顧客は、アッパーでスタイリッシュな今時のオシャレな人ではなく、人間味のある接客を好む人たちだったわけです。ところが、居酒屋のノリと結婚式場のノリは全く違うという考えから、多少背伸びをしていた面がありました。ところが、稲岡さん達と親会社が展開している居酒屋【博多劇場】に行った際、このノリで接客をしてくださいと言われました。一家ダイニングのグループの強みとは何かを原点に戻って考えるきっかけにもなりました。居酒屋であれば、またこの人に会いたいと顧客に思わせられるかがゴール、それでリピーターになってくれます。ブライダルにおいても、結婚式をこの人達に任せたいという気持ちにさせるという点では、それほど変わりないのではと。」
 稲岡「居酒屋のDNAがスタッフの中に流れているわけです。サービス、調理も含めた全スタッフに染みついているということは、ブライダル業界でもあまりない。では、この施設に足りないものは何かということを考えたときに、成約率が落ちたためにセールスを恐れている。それならばプランナー1 人に戦わせるのではなく、全員でサポートしようと考え方を直してあげるだけでした。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、新春特大号)