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  • 社説:潮目
  • 19.12.23

不動産販売会社の壮絶な勤務環境「世間を知らない」新卒への依存

 先日、上場している不動産販売会社に勤めていた人材から、まさに壮絶な職場環境について話を聞く機会があった。都内の大学出身の彼は、新卒でその会社に入社したが、入社式で「働き方改革など当社には全く関係ない」という上層部の挨拶を聞いた時点から、すでに不安を抱いていたという。
 一般の人にマンションを販売するため、まずはアポ取りのアプローチが重要。そこで、道行く人に片っ端に声をかけては、マンションに興味がないかを聞いていく。さらに、マンション周辺の賃貸住宅のインターホンを、それこそしらみつぶしに押していく。玄関を開けてくれる人は、100人中1 人いるかどうか。開けてくれても、話を聞いてくれるかは別問題。一日中、道端で、周辺住宅を歩き回り、次のアポの可能性がある人をリストアップ出来るのはせいぜい一人という。 こうした業務自体は、どこの業界でも多少なりともあるだろう。何よりも、過酷な勤務環境が衝撃的だ。
 通常の勤務時間は9 時に設定されているが、営業所の全てのスタッフがその1時間前から仕事を始めている。始業時間はあってないようなもので、規定通りに出社のできない雰囲気が出来上がっている。また通常は夜間の訪問営業は法律的にも出来ないことになっているが、現実には夜の21時まで行われ、それから帰社して報告書などを作成。帰宅時間は通常で22時過ぎと、一日14時間勤務である。
 さらに、休日も関係なく、週1日とれればいいほう。いつ休みになるのかは、前日に上司から言われてようやく決まる始末。彼は、10日間連続勤務も経験し、とにかく休みたかったと漏らしていた。
 こうした勤務環境を学校側は理解していないのか。理解していれば、恐らく学生を紹介することもないだろう。まさにブラックの環境で高い離職率だが、その反面供給(人材採用)が一定数あるため、企業として成り立っている。そう考えると、採用をサポートする学校側にも責任の一端があるのではないか。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月11日号)