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  • 社説:潮目
  • 19.11.12

「どうしても開催したい!」新郎新婦を説得するのがプロの役割

 台風19号の被害状況が明らかになってきた。死者は13都県合わせて90人。住家被害は₇ 万7000棟以上。堤防決壊は140箇所、土砂災害は667件発生した。(10月27日・非常災害対策本部より)
 計画運休、さらに特別警戒警報が発令された地域でも、通常通り結婚式を開催させたというケースのほか、顧客の強い希望により実施した会場もあった。その結果、親が披露宴の終わり頃にようやく到着、友人テーブルには2 名しか来ない、親族が全員集まったのはお開きから1 時間後という状況も耳にした。
 ブライダル業界の対応でポイントになったのが、顧客からどうしても開催したいと強い希望があったケースだ。事前に約款で、自然災害などの際には会場が開催可否を決定できると明確な記載がないと(【会場が使用できない場合】と記載している事例はあるが、直接会場に被害が発生していない段階での対応がこれに当てはまるかは微妙)、延期を促す上での根拠が示せなくなる。そのため、顧客からの強い希望があれば、なかなか延期できない。特に計画運休、台風の進路が予測された地域であれば、自社の従業員、関連企業のスタッフの安全も考慮し、開催することが難しいと考えるのは当然であるが、顧客からどうしてもと言われればやらざるを得ないわけだ。
 こうした話を会場側から聞いたときに思い浮かんだのが、昨年近畿に上陸した台風の時の動画。宅配ピザの店員がバイクで配達中、暴風雨にあおられ転倒したものだ。注文が入ってしまえば、風が吹こうが槍が降ろうが、ピザを届けなければならない。この動画に対して、ネットやSNSユーザーの反響はどうだったか。店員の責任感を称賛するものはほとんどなかった。逆に、こうした状況で営業する企業側の責任、さらに人の危険を想像できず平気で注文する顧客に対しての批判が多かった。これがあったからか、今回の台風19号ではピザの宅配チェーンが前日に計画休業を発表した。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)