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  • 19.09.26

:連載34:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]第34回『8.30 JASRACリリース で音楽著作権問題は最終局面へ~株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏~

 去る8 月30日に一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が発表したリリースは、長年ブライダル業界が苦しんできた音楽著作権問題の最終決着へ向けた大きな一歩になると、筆者は捉えています。本コラムでは改めてリリースの内容と、そこから読み解く「記録用映像」の将来像について取り上げます。

 JASRACリリースの要点は以下の通りです(なお、日本レコード協会も同旨の発表を行っています。)。
① 婚礼関連映像を複製する際の使用料について、「1 施行当たりいくら」という「包括使用料」の導入に向けて検討をしていくこと。
② 希望する事業者を対象に「包括使用料」を適用する「実証実験」を行うこと。

 複製権についての「包括使用料」。これは私たちブライダル事業者、特に映像制作事業者にとっては悲願とも言うべきものです。ホテルや結婚式場が婚礼当日にBGMとして適法に楽曲を使用するには、権利者から「演奏権」の許諾を得なければなりませんが、それについてはJASRACが「月々いくらを支払えば包括許諾を与える」という包括契約の仕組みを設けており、ほとんどの事業者がこれを契約することで適正に対応しています。
 一方で、映像制作事業者が記録用映像やプロフィール映像を制作したり、音響事業者が当日用BGMの音源をCD等に収録したりするには、権利者から「複製権」の許諾を得なければいけません。ところが、「演奏権」と異なり、包括的な許諾を得る仕組みが存在していないため、1 つ1 つの制作物ごとに許諾の申請をしなければなりません。しかも、使用料は「曲数」や「使用時間」(2019年10月1 日からは使用時間は算定根拠から外れます)を基に算定されるため、特に正確な収録時間が事前には読みづらい記録用映像においては、使用料を予め予測することが困難であり、また申請時には算定に手間が発生していました。
 そうした経緯から、「複製権」においても、せめて「1施行当たりいくら」という包括的な使用料設定の誕生を求める声は以前からとても多かったのです。
 こうした背景を踏めると、JASRACや日本レコード協会が「包括使用料」の導入へ向けた検討を本格化したというニュースは、私たちブライダル業界にとっては歓迎すべきことと言えるでしょう。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、9月11日号)