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  • 19.03.31

トップ商空間デザイナー杉山敦彦が語る【売れる施設づくり】業績に貢献する空間デザインとは(THE WHOLEDESIGN代表取締役 杉山敦彦氏)

 ブライダル会場の【売れる空間デザイン】を考える際、3 つのレイヤーで検証していきます。1 つが集客、1 つが成約、1 つが当日です。ブライダル会場の空間デザインは、この3 つ全てに貢献できるかどうかが重要となります。

【集客に貢献する空間デザイン】
 新郎新婦の立場で考えると、式場を探す時にまず情報誌を見ます。情報誌には無数の会場が掲載され、違いもよく分かりません。そこで、ページをめくる手が止まるような空間デザインこそが、集客に貢献するということです。
 空間デザインの側面から考えると、天井をしっかりと作り込んでいるかどうかがポイントです。実際にその空間にいても、天井のデザインや素材はほとんど覚えていないでしょう。ところが、写真になった瞬間、天井と床がビジュアルの半分を占めます。そこにいる時には気にならなくても、情報誌・WEBサイトの写真では大きな影響を与えるのです。
 天井のデザインは、コストのバランスもあり、またそれほど気にならないから白いままでいいとなりがちです。もちろん、シャンデリアなど照明デザインなどで工夫をしているところもあります。ここで大切なのは、工夫をしたとしても他会場と似ていれば区別がつかないという点です。個性を追求しなければ、多くのビジュアルの中に埋もれてしまいます。ページをめくる手を止めてもらうためにも、天井と床で個性を出すことが集客に貢献する空間デザインであり、それを突き詰めていくことが大切です。

【成約に貢献する空間デザイン】
 集客はもちろん大切ですが、2 番目のレイヤーである成約こそがブライダル会場では最重要ポイントです。成約に貢献する空間デザインとは、新規接客のストーリー、時間軸をしっかり読み取ったものであるかということ。そのためにオーナーを始め、ウエディング担当者と入念な打合せをした上で、どう動いて、どう案内しているのかを把握していきます。
 例えば、ガラス張りの採光が明るいチャペルが『売り』という会場があったとします。接客時の時間軸を把握することで、よりその魅力が高まるような様々な仕掛けを空間デザインに反映させていきます。人間の目は、明るさ・暗さに慣れます。チャペルの空間をより明るく見せようとするのであれば、その前段階の廊下やホワイエを暗くする。目を暗い所に慣れさせることで、チャペルの扉を開けた瞬間、より明るい光が強烈に飛び込んできます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)