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  • 社説:潮目
  • 19.03.20

【パートナー】の言葉が形骸化 厳しい掛け率に商品力向上は出来ない状況

 「掛け率について厳しい条件変更を提示される一方で、もっといい商品にしてくれと要求される。まさに無理難題であり、パートナー企業という言葉を使っていながら、実質はパートナーとして見ていない」とは、ある写真事業者の社長の言葉だ。こうした声は、関連企業に行くたびに聞かれる。会場運営会社と関連企業の一取引のみならず、業界全体として沸騰している大きな問題だ。
 マーケットが右肩上がりの状態であれば、会場運営企業、関連企業両者ともに潤う。停滞期に入っている今、組数減、単価減に対し、会場側は利益確保のために掛け率の見直しを進めている。関連企業は厳しい条件変更を突きつけられている。
 関連企業側から見ると、これは非常に辛い状況だ。会場の組数減少によって受注数そのものも減っているのに加え、さらに掛け率が厳しくなれば、収入全体が大きく落ち込む。そうした状況で、果たしていい商品が生み出せるか。人が主体の業務であれば、その収入に見合った低コストの人員、つまりキャリアもスキルも低いスタッフに変更せざるを得ない。商品開発やデザインに費用をかけることも難しくなり、これまで以上に早いウエディングトレンドの変化にもついていけなくなる。収入に見合った商品サービスへの転換を強いられるわけで、質が良くなることはありえない。結果として、会場で販売する商品クオリティ自体がどんどん下がっていく。
 会場運営企業の中でも、関連企業をパートナーとして位置づけ、その関係性を重視する経営者もいる。こうした会場では、総じて顧客満足度も高い。当然だ。関連企業側のクオリティも維持され、商品やサービスに対する費用対価値も高まるからだ。厳しい状況にあっても、共に成長を掲げることで、関連企業の意欲も向上し、会場とまさしく良好なパートナーとしての協力関係となる。
 もっとも、ブライダル業界全体としてみれば、やはりこうした会場運営企業はごく一部に限られているようだ。関連企業の多くは、【パートナー企業】という言葉が形骸化していることを実感しており、単なる下請けとして扱われている。マーケットがさらに厳しくなれば、状況はさらに深刻化していくだろう。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月1日号)