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キーマンに聞く

連載9〔研修で差がつく!金の卵の育て方〕節目の時期は自らを振り返る機会【ノバレーゼ 教育研修部エキスパート 前田歩香氏】
反省ではなく『内省』を
3 月は翌月に新入社員の入社を控え、節目となる時期です。弊社では先日、新卒入社1 年目のスタッフを対象にしたフォローアップ研修を行いました。今年は集合研修での開催が叶い、「久しぶり、元気だった?」と同期同士で再会を喜ぶ声に包まれました。研修を運営する私にとっても毎年楽しみな研修です。「1 年間本当にお疲れ様でした。そして研修におかえりなさい」と、労う気持ちでスタッフを迎えます。入社時の研修ぶりに会うみんなは、その頃と比較すると顔つきが頼もしく、立ち居振る舞いからもメリハリを感じ、成長をとても感じました。
研修は自分自身を振り返る絶好の機会。今回は1 年間をどんな場で振り返ると、明日への原動力に繋がるかについてお話します。
研修で行う1 年間の振り返りは、反省(例:あの時こうしておけばよかったと誤りを正す)が目的ではありません。自分の心と向き合い、考えや言動を省みる『内省』の時間です。仲間が聞き役となり、「なぜそう感じたの?」と深掘り質問を重ねることで、1 人ではたどりつかない気付きを得ることができます。
経験を次の行動へ踏み出す力に変えるには、ただ『発表する/聞く』のではなく、話し手は包み隠さず伝えられるか。聞き手は相手への好奇心を持って聞き、感じたことをまっすぐ伝えられるか。双方が心の扉を開け、どれほど真剣に取り組めるかが大切です。特に失敗経験に対する自分の感情を話す際は、恥ずかしさやプライドがハードルになることもあるでしょう。
そのため研修では、『真剣さと楽しさが共存する場作り』を大切にしています。結婚式においても、感謝の手紙をいきなり読むより、ゲストと談笑し一体感に包まれた雰囲気の中、この場を借りて自分の気持ちを素直に伝えることに意味があります。新郎新婦にとって大切な皆さんに聞いてもらえるからこそ、より背筋が伸び、感謝の気持ちが溢れてくるのではないでしょうか。
研修の場も同じだと考えています。入社時期の同じ仲間と楽しさを共感し合うことで絆を感じ、その仲間と成長のために真剣に取り組む意思があることが、内省を深める手助けとなります。
仲間と楽しむスタイルも
研修での『楽しむ場作り』には、グループワーク・レクリエーション・懇親会などの方法がありますが、今回紹介するのは『演劇スタイルでの発表』です。例えば「理想の先輩像とは?」というテーマで、落ち込む後輩にどんな声をかけたいか考えるグループワークだとします。その際、架空の先輩役と後輩役をたてて実演してもらいます。言葉選び・表情・声のトーンなども、役になりきります。意見の要点を発表するより、リアルに考えることができます。先輩役は身近な先輩をお手本にし、仕草を似せるなど受講生の工夫も加わり笑いも生まれ、『真剣に楽しみながら取り組む』ことが実現します。集合研修では一層盛り上がります。「仲間×楽しむ」と掛け合わせると、話し手も聞き手もありのままでいることができる、心理的に安全な場に変わるのです。
同期と共に心の扉をオープンに1 年の振り返り、研修をとことんやりきると、3 つの想いが生まれます。①あらゆる場面で手を差し伸べてくれたチームへの感謝、②頑張ってきた自分を認めてあげる気持ち、③自分の経験をチームや後輩育成に活かしたいと前を向く気持ちです。「私たちの経験がこれからの教育方針にもつながっていく、より良いチームづくりをしていきたい」という意見もあがりました。本質に迫る深い振り返りは、明日からの希望に溢れた力強い一歩を生み出すことができると信じています。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月21日号)

