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キーマンに聞く

連載 第5回《全員が役割を担う 新規接客の演出》見積もりを楽しい時間にするパティシエの役割【at-heart 代表取締役 稲岡利彦氏】
新規接客における料理長の役割に続いて、今号ではパティシエに焦点を当てます。
パティシエが接客に関わる上で、試食の時間はポイントです。接客終了時間も考慮して、私たちは試食時間を30分程度に設定。試食会場では料理長から味の特徴やこだわりを伝えるわけですが、さらにデザートタイムを取ると30分を超過します。そこでデザートは、サロンに戻ってきてからをおススメしています。
タイミングとしては、見積もりの話が出てきた時。この時間はいわゆる検索の時間で、新郎新婦はその会場に決めても大丈夫かという想いから口コミサイト等を開いて確認をすることも往々にしてあります。現実的なシビアな時間を楽しいものに変えることを目的に、コーヒーや紅茶と一緒にデザートを提供します。
その際には料理長と同様、パティシエが新郎新婦の元に出向き、こだわりの部分を語ってもらう。できればマジパンなどを制作し、オリジナリティの演出も大切です。最近ではパティシエを採用せず冷凍ケーキで対応する会場も増えていますが、だからこそパティシエが当日も担当するという事実は差別化になります。またウエディングケーキに関しては、味もさることながら自由度の高いものを出せることが売りにもなる。だからこそ、新規接客においても、それをキチンと可視化します。
技術を見せるという観点としては、マジパン以外にチョコペンアートも効果的。チョコペンアートは、新郎新婦のヒアリングで聞いた内容、例えばプロポーズの場所などを描くことで価値も高まります。そのクオリティが高ければ、新郎新婦は写真に撮ってインスタに投稿してくれる可能性も出てきます。そうなれば、次の集客にも繋がっていきます。
こうしたオリジナルデザートの制作のために、それ以前にヒアリングした新郎新婦の情報を、パティシエにも共有します。チョコペンアートは一枚15分程度かかりますが、事前に情報を提供しておくことで、サロンでの提供までに時間をかけて制作できます。
それ以外には、イニシャルクッキーをプレゼントするのも効果的。あらかじめ作ってストックをしておくこともでき、ロスも出ないため、簡単にラッピングをすれば素敵なプレゼントになります。
サロンでのデザート、クッキーの提供に関しては、子どもと一緒の新郎新婦にはさらに有効です。子ども連れの来館でよく見られることとして、最後にサロンに戻ってきた時には完全に子どもが飽きてしまっている。そうなると新婦も気が気ではなく、肝心の見積もりの部分をキチンと聞いてくれる状況にはならない。そこに可愛いデザートやクッキーを提供すれば、子どもも楽しんで過ごしてくれるようになります。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)

