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キーマンに聞く

企業との出合いをイベントで創出【アモーチュリパ 代表取締役社長・フリーウエディングプランナー 竹内美里氏】
高校時代の親友への恩返しを原点に、ブライダル業界を志したアモーチュリパ(岐阜県各務原市)竹内美里氏(現28歳)。大学在学中は長野県内の式場でアルバイトを続け、結婚式の魅力を現場で体感してきた。自身の就活はコロナ禍と重なり、悩みながらもフォトウエディング、フリープランナー、採用支援と活動の幅を広げている。現在は、ブライダル業界志望の学生向けに逆求人イベントにも注力。ウエディング業界を志す入口をどう作るのか、竹内氏に話を聞いた。
≪親友への恩返し≫
竹内「ウエディング業界に関心を持ち始めたのは、高校3年生の進路を考えていた時期です。親友のおかげで自分の人生が明るくなったと感じる経験があり、将来はその親友に恩返しできる仕事がしたい、親友に一番幸せな時間を届けたいと、結婚式に辿りつきました。『将来の選択肢を広げる意味でも大学の方がいい』と先生から言われたこともあって、長野県内の大学に進学。ただ、ブライダルを学びたい気持ちは変わらず、入学してすぐに式場でアルバイトを始め、4年間、土日はほとんど式場で過ごしていました。最後の1年間はコロナでなかなか出勤できませんでしたが、結婚式の魅力を肌で感じました。」
竹内「就職活動は普通にしていましたし、もともと起業への意識が強かったわけではありません。ただ21卒だったため、就活とコロナが重なり、各企業が採用を見送る中、自分自身も納得する選択をできずにいました。それならば、『若い世代で業界を変えたい』という思いに挑戦するチャンスとポジティブに捉え、大学4年の11月にフリーになることを決意。自分の道を決めてからは、不安よりもワクワクの方が大きくなっていった感覚があります。今振り返れば、かなり思い切った決断でしたね(笑)。大学4年生の時には、ウエディング業界を目指す学生のコミュニティを立ち上げ、業界人100人と話すことにも挑戦。同年代と業界の未来を語る機会や、業界のリアルを聞くことも多くありました。」
≪古着×フォトW≫
竹内「独立当初は、プランナーとして仕事をしていきたいという思いがありました。ただ、経験もつながりも少なく、集客スキルもない状態だったので、フリープランナーのアシスタントからスタート。いきなり結婚式ではなく、まずはフォトウエディングの事業を始め、自分の実績や世界観を作ることに取組みました。フォトウエディングでは、古着とフィルムカメラで撮影するスタイルを提案。ヴィンテージのドレスやスーツセットアップなど、古着屋にあるものから、カップルに合わせてコーディネートしていく内容です。もともとヴィンテージや古着、アンティークに関心がありましたし、大学時代を過ごした長野県で、同世代の若いカップルを主なターゲットに展開していました。」
≪本音で選び合う採用支援≫
竹内「学生時代に感じた疑問などを背景に、現在はプランニングに加え、社会人2年目から採用事業もスタート。採用支援を始めたきっかけは、私自身の就活の経験。企業は良いところしか学生に見せず、学生も企業に合わせた志望動機を話してしまう。お互い本音ではない就活の在り方に、強い“モヤモヤ”を感じました。業界の離職率を考えた時、入社からのギャップが大きすぎるのも1つの要因ではないかと感じました。自分自身が就活をしていた時、大手ナビサイトに載っている企業との出合いが大半だった一方で、社会人になってから、中小やベンチャーの中にも素敵な企業は数多くあることに気づきました。そうした企業と学生を結び働く人が幸せになれるよう、採用を通じて支援したいと思うようになり事業化に至りました。」
竹内「『逆求人イベント』は、業界を目指す大学生と企業をマッチングさせるもの。企業が学生を選ぶだけではなく、学生も企業を選ぶ仕組みを大事にしています。互いのPRを聞いた上でオファーを出し、マッチングした企業と学生はイベント内で面談を実施。その面談をもとに選考へ進んでいく流れです。こだわっているのは、大学生に絞り約20人前後で行っていること、かつ本当におすすめできる企業しか紹介しないこと。企業の条件を明確には設定していないものの、業界内での印象、これまで出会ってきた就活生の声を重視しています。就活を終えた学生に、おすすめできる企業と、おすすめしにくい企業を聞くこともあります。できるだけ会場に足を運び、スタッフとの会話を通じて、自分自身もおすすめできるかどうかも重視。人事以外のスタッフと話すこともありますし、可能であれば社長と話す機会をもらっています。学生の質も大事にしていて、事前に運営メンバーが学生と最低でも3時間以上の個別面談を行い、自己分析などをサポートしています。働く動機や将来のビジョンなどヒアリングした上で企業をつなぐからこそ、企業からも『学生の質が高い』と言ってもらえることは多いです。運営メンバーにもこだわっていて、私が一番年上の28歳。他にも同年代の元々婚礼業界で人事をしていたメンバーや、基本的に、前年度イベントから就職が決まった内定者たちで運営しています。学生のリアルな声で作る就活であり、学生のためのイベントにすることは、立ち上げ当初から決めていたことです。」
≪オーダーメイド採用へ≫
竹内「ブライダル業界の採用のやり方は、今の学生に合っていない部分もあると感じています。例えば選考の進め方一つを取っても、学生に合わせてオーダーメイドで選考スケジュールを立てている企業は、学生からの評価も高い。提携している企業とは、この子にはこういうアプローチの仕方がいい、この子はこういうビジョンを持っているので、この事業の魅力を伝えていくと採用につながりやすいといった話もしています。面談、自己分析、企業理解、選考スケジュールへの対応など、一人ひとりに合わせたオーダーメイドでうまくいくケースは多く、大手では難しい部分だからこそ、中小企業の勝ちやすい領域でもあると感じています。採用支援の実績としては、今年度で約15社、これまでは20社を超える企業と関わってきました。学生に関しては、5年間で累計300人から400人ほどと接点があります。直近では、参加学生の約2人に1人はイベントを通じて内定を貰っている計算です。学生と企業が本音で選び合える機会を増やし、働く人の幸せを願いながら、支援していきます。今後は、より多くの大学生に婚礼業界に興味を持ってもらえるようにしたいです。プランナーも続けている私だからこそ、学生には業界の魅力も厳しさもリアルな視点で伝えていきたい。企業にとっては素敵な縁を結び、その会社の将来を担う人材確保に繋げられるよう尽力していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1日&11日合併号)

