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![連載113:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『カスハラに関する法改正を現場でどう活用するか』【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
連載113:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『カスハラに関する法改正を現場でどう活用するか』【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】
法改正を現場で活かしてスタッフを守ろう
いよいよ「ブライダル産業フェア2026」が近づいてきました。今回のコラムでは、10月に迫った「カスハラ対策を事業者に義務付ける法改正」を婚礼現場でどのように活かすのか?というテーマについてQ&A形式で解説します。
Q.改めて10月の法改正で「カスハラ対策」についてどのような義務が課されるのかを教えてください。
A.労働施策総合推進法の改正法が10月1日に施行され、事業者に対して、顧客等からの過剰な要求や不当な言いがかり(カスハラ)に直面した際には、それに対応するスタッフの就業環境が害されることのないよう「雇用管理上必要な措置を講じなければならない」という義務が課されることとなりました(同法第33条第1項)。
要するに、「カスハラからスタッフを守る義務」が新たに追加されるということです。
Q.現場でのカスハラ対応がしやすくなるなら嬉しいですが、法律ができたからといって具体的にどのように活用すればよいのかがイマイチ掴めません。
A.厚生労働省が示している「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」において、事業者に対して「基本方針の明確化」「従業員のための相談体制の整備」「社内対応ルールの整備」等が求められていますが、この法律が施行されることの最も大きな意義は、国が「カスハラの定義」を定め、そしてカスハラ事例においては「顧客対応よりもスタッフを守ることを優先すべし」という姿勢を明確に示したことだと思います。
つまり、サービス業に属する私たちにとって、いくら過剰な要求や不当な言いがかりをされたとしても、これまではお客様に対して「それはカスハラです。やめてください」とはなかなか言いづらかったわけです。
しかし、このたび法律として定められたわけですから、たとえばクレーム対応の場でカスハラ行為をされた際にも「関係法令や厚生労働省の示すマニュアルに照らすと、お客様の言動は問題があると判断せざるを得ません」「今後は繰り返さないとお約束いただけないのならば関係法令に基づいてこれ以上対応はできません」と、「法律の定めにより」または「国の示すマニュアルに沿うと」という理由付けが可能となることから、格段に主張しやすくなるはずです。
Q.それでもやはりお怒りになっているお客様を前にすると、なかなか毅然とした態度をとるのは難しいのですが・・・。
A.そこは私たち事業者も発想の転換が必要です。
すでに述べたように、10月からは法律で「カスハラからスタッフを守る義務」が課せられるのです。逆に言えば、カスハラの現場でスタッフに対応を丸投げしていると、後から「勤め先が従業員を守るべき安全配慮義務を果たしてくれなかった」と責任を追及されかねないということなのです。 施行まで半年を切った今、私たちブライダル事業者全体として「カスハラから共に働く仲間を守るんだ」という発想に切り替える必要があると思います。
Q.現場でのカスハラ対応力を向上させるためにできることは何でしょう?
A.カスハラの類型を把握し、それぞれの場面における「トーク例」や「メール文例」を定めておくことではないでしょうか。厚生労働省のマニュアルでは、長時間拘束型、リピート型、威嚇脅迫型、誹謗中傷型など9つの類型が定められており、それぞれにおいて推奨される対応策が示されています。
そうした「国が示した基準」を婚礼現場の実態に当てはめて、現場で実践して使える「トーク例」や「メール文例」を定めておくと、いざカスハラまがいの事案が発生した際にも早期に統一した対応を講じやすくなるはずです。
来る6月9日の産業フェアで私夏目が登壇するセミナーでは、すぐに現場で使える具体的な「トーク例」を解説します。婚礼現場のスタッフがカスハラで悩むことのないよう願いを込めてお届けしますので、ぜひ現場でご活用ください。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)

